敏感肌はピーリングをしないほうがいい?皮膚科での施術と市販品の違いや施術後の注意事項とは?

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)

「敏感肌だから、ピーリングは絶対にできない」と思っている人は、多いかもしれません。たしかに敏感肌の人はもともとバリア機能が低下しやすく、日常的なスキンケアでも刺激を受けてしまうことがありますが、ポイントを押さえることでピーリングができる可能性はあります。そこで、敏感肌の人がピーリングを行う際のポイントについて解説します。また、皮膚科での施術と市販品によるケアの違い、施術後に気をつけたい注意事項などについてもあわせてみていきましょう。

敏感肌とはどんな状態?ピーリングは可能?

いわゆる敏感肌とは、肌に備わるバリア機能が低下し、外部の刺激に反応しやすくなっている状態を指します。紫外線や空気の乾燥、気温差、摩擦、花粉、肌に合わないスキンケアなどが原因になることが多く、赤みや乾燥、ヒリつきなどの肌トラブルが起きやすくなります。
ピーリングも肌の調子が不安定な時に行うと、肌トラブルを引き起こす原因になることがあります。ピーリングは、化粧品や薬剤によって古い角質を取り除くケアで、肌のターンオーバー(新陳代謝)を整えることを目的としています。市販のピーリング製品もたくさんあり、手軽に取り入れることができますが、肌が敏感な時にピーリング作用の強い製品を使用したり、誤った方法でケアをしてしまうと、バリア機能がさらに弱まり肌荒れが起きやすくなります。
しかし、基本を押さえていれば、敏感肌の人でもピーリングができる可能性は十分にあります。ケアのポイントについて詳しくみていきましょう。

敏感肌の人が市販品でピーリングをする際のポイント

市販のピーリング製品でケアをする際に押さえておきたい3つのポイントを説明します。

(1)タイミング

ピーリングは、肌の状態が落ち着いていて、乾燥したり赤みが出たりしていない時に行いましょう。季節の変わり目や体調が不安定な日などは、肌が敏感になっている可能性があります。普段よりも刺激を感じやすいため、無理に慣れないケアをしないことが重要です。
また、刺激の強いスキンケア製品との併用も避けた方が安心です。肌荒れのリスクが高まるだけでなく、トラブルの原因を特定しにくくなるためです。使い慣れているスキンケア製品でケアをし、肌の状態が安定しているタイミングでピーリングを取り入れましょう。

(2)成分選び

初めて行う場合は、作用の穏やかな成分から試してみるのがおすすめです。たとえば、以下の成分は、一般的に低刺激で作用が穏やかと言われています。

〇乳酸やリンゴ酸など穏やかな作用のAHA

市販のピーリング製品の代表的な成分に、AHA(アルファヒドロキシ酸)があります。AHAは「フルーツ酸」とも呼ばれ、グリコール酸や乳酸、リンゴ酸、マンデル酸など複数の成分をまとめた総称です。AHAの中でも、乳酸やリンゴ酸、マンデル酸は、比較的作用が穏やかなため、初めての方でも試しやすいでしょう。

〇PHA(グルコノラクトン、ラクトビオン酸など)

分子量が大きく、肌表面にゆっくりと作用する刺激の低い成分です。角質を取り除く作用だけでなく、保湿作用などもあるため、乾燥しがちな敏感肌の人でも使いやすいでしょう。

〇酵素(パパイン、ブロメラインなど)

一般的にピーリングというと、酸を含む化粧品や薬剤で角質を剥がれやすくするイメージがありますが、タンパク質分解酵素にもピーリング作用があります。酸に比べると作用が穏やかなため、敏感肌でも取り入れやすいのが特徴です。ただし、人によってはアレルギー症状が現れるリスクがあるため、最初は少量から試すようにしましょう。

一方で、やや刺激の強い成分や製品もあります。たとえば、グリコール酸(AHA)やサリチル酸(BHA)は毛穴詰まりには効果的ですが、刺激がやや強めで赤みなどが出ることがあります。また、スクラブ入りの製品は摩擦による刺激が大きくなる可能性があり、肌が敏感な時にはおすすめできません。

(3)使い方・頻度

製品の使用方法を必ず読み、正しく取り入れましょう。特に、摩擦による刺激には注意が必要です。洗顔やスキンケアをする際は擦らず、やさしくケアすることがポイントです。また、ピーリング後は一時的にバリア機能が低下しやすくなります。保湿ケアをすぐに行い、紫外線対策も徹底しましょう。
あわせて、使用頻度にも注意が必要です。ピーリング製品には毎日使用できるものもあれば、週1~2回程度の使用が推奨されているものもあります。推奨頻度を守ることが基本ですが、特に敏感肌の人は、慣れるまでは週に1回程度から始めるのがおすすめです。問題がなければ、推奨頻度まで増やしていきましょう。また、乾燥する季節は使用頻度を下げるなど、季節や体調によって調整することも重要です。刺激を感じたら、しばらく中止して肌を休ませましょう。

皮膚科でピーリングを受けるメリット:市販品との違い

基本的なポイントを押さえることで敏感肌でもピーリングをすることは可能ですが、それでも不安に感じる場合は、皮膚科での施術を検討してみましょう。皮膚科での施術には次のメリットがあります。

〇医師に肌の状態をチェックしてもらえる

皮膚科では、施術前に医師が診察を行い、ピーリングを行っても問題ないかを確認します。診察の結果、ピーリングができないと判断された場合でも、今の状態に合った最適な治療法を提案してもらうことができるでしょう。

〇目的に合わせて薬剤の種類を選べる

市販品にも様々なタイプがありますが、医療機関での施術にも複数の種類があります。
たとえば、医療機関で取り扱われるピーリングの一例として、サリチル酸マクロゴールを使ったケミカルピーリングがあります。サリチル酸マクロゴールは角質層のみに作用しやすい薬剤で、ニキビ・ニキビ痕、毛穴トラブル、ごわつきなどの改善に役立ちます。刺激が少なく肌トラブルが起こりにくいという特徴があるため、敏感肌の人でも挑戦しやすい薬剤と言えます。
また、コラーゲンピールのようにハリやツヤの向上を目的としたピーリングもあります。目的に合わせて効果的な治療法を選べる点は、クリニックの施術ならではのメリットです。

クリニックでピーリングを受ける際の注意事項

施術後の肌トラブルを防ぐためには、正しいアフターケアを実践することも重要です。特に以下の点に注意しましょう。

〇保湿ケアをしっかり行う

セラミドやヒアルロン酸など保湿力の高い製品を選び、摩擦刺激に気をつけながら、やさしく保湿しましょう。施術直後は肌が敏感になっているため、強く擦ったり、必要以上にタッピングしたりしないようにしましょう。

〇紫外線対策を徹底する

施術後はバリア機能が低下しているため、紫外線の影響を受けやすくなります。肌荒れや色素沈着を防ぐために、日焼け止めを必ず使用するようにしましょう。施術後1週間は、紫外線吸収剤を含まない低刺激の日焼け止めが安心です。

〇ピーリング作用のある化粧品と医薬品は一時的に中止する

ピーリングの前後は、角質剥離作用のある薬剤の併用を中止することが大切です。施術前後1週間は、市販のピーリング製品やレチノール、レチノイン酸(RAC)、ディフェリンゲルなどの使用は控えましょう。肌への負担が蓄積し、赤みやヒリつきが悪化する可能性があります。

〇赤みなどが長引く場合は、主治医に相談する

軽い赤みやほてりは施術後の自然な反応ですが、症状が強い場合や長引く場合は主治医に相談しましょう。

適切な方法を選び、丁寧にアフターケアを行うことで、敏感肌でも無理なくピーリングを続けることができます。「敏感肌でピーリングをしてみたいけど、心配」という人は、皮膚科に相談してみてください。

まとめ

  • 敏感肌でも肌の状態が落ち着いている時に、刺激の低い成分で正しい使用方法で行えば、ピーリングは可能である
  • 自己判断で成分を選ぶのが難しい場合は皮膚科での施術を検討すると良い
  • 皮膚科で施術を受けるメリットとしては、医師が肌の状態を診ながら適切な治療法を提案してくれることや、目的に合わせた施術選びが可能なことなどが挙げられる
  • 施術後は保湿ケアと紫外線対策を徹底し、しばらくの間、角質剥離作用のある製品や薬剤の使用は避けるほうが良い