医療コラム
日本初の美白有効成分「コウジ酸」とは?効果的に取り入れる方法について。
「日本初の美白成分」とも言われるコウジ酸。スキンケアや美白化粧品で目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コウジ酸の特徴や期待される働き、スキンケアへの効果的な取り入れ方や注意点について解説します。美白ケアを始めたい方や、自分の肌に合った美白成分を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
コウジ酸の美白作用について
コウジ酸とは、麹菌の発酵過程で産生される成分の一つです。日本酒や味噌、醤油など、日本の発酵食品と深く関わる麹菌の研究の中で見出され、美白に関わる作用が確認されたことから、スキンケア成分として注目されるようになりました。
コウジ酸の美白作用は長年研究が行われてきましたが、メラニンが作られる過程に働きかける作用が確認されたことから、1988年に「美白有効成分」として厚生労働省から承認されました。
肌が紫外線などの刺激を受けると、「メラノサイト」が活性化し「メラニン色素」の産生が活発になります。その過程に中心的に関わっているのが「チロシナーゼ」という酵素です。コウジ酸は、チロシナーゼが持つ銅イオンと結合することで(キレート作用)酵素の働きを弱め、メラニンの生成を穏やかに抑制する働きがあると考えられています。これにより、シミやそばかすへの予防効果が期待できることから、美白有効成分として認められています。
なお、美白成分として知られる「ハイドロキノン」もチロシナーゼの活性化を抑制する働きがありますが、作用が強い一方で刺激も高いことから、濃度の高いものはクリニックでの購入が必要です。ハイドロキノンよりも刺激が低いコウジ酸は、日常的なスキンケアに取り入れやすい美白成分として位置づけられています。
コウジ酸配合化粧品の特徴
コウジ酸配合の化粧品の特徴として、以下のことが挙げられます。
○将来のシミやそばかす予防に役立つ
コウジ酸は、できてしまったシミを薄くするというよりも、メラニンを増やしにくくすることで将来のシミやそばかすなどの予防に働く成分です。今よりもシミやくすみを増やしたくない方、紫外線を浴びやすい環境にいる方、刺激の少ない美白ケアをしたい方にとって、コウジ酸は取り入れやすい成分の一つといえるでしょう。
○分子量が小さく浸透しやすい
コウジ酸は分子量が比較的小さい成分であり、皮膚表面の角層内へなじみやすい性質を持っています。スキンケア製品として配合された場合にも、皮膚表面にとどまりにくく、メラニン生成に関わるプロセスに働きかけやすいという特徴があります。
○抗酸化、抗糖化作用なども示唆されている
コウジ酸について、抗酸化作用や抗糖化作用に関与する可能性を指摘している研究(※)も報告されています。酸化ストレスや糖化反応は、紫外線や加齢などの影響によって生じやすく、肌の黄ぐすみやハリの低下、質感の変化といったエイジングサインと関係することが知られています。
※参考
- Aytemir MD, et al. Evaluation of antioxidant properties of kojic acid.
Molecules. 2015;20(9):15729-15742.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4345070/ - Takeuchi M, et al. Glycation and its contribution to aging. Journal of Anti-Aging Medicine. 2011;8(3):23-31.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaam/8/3/8_3_23/_article
コウジ酸の効果的な取り入れ方
コウジ酸は美白成分の中でも刺激性が低く、使用方法にも大きな制約がないため、普段のスキンケアに取り入れやすい成分です。
ここでは、コウジ酸を効果的に取り入れるためのポイントを紹介します。
○「医薬部外品」の表示を確認する
コウジ酸の美白作用を目的として配合されている製品は、「医薬部外品」といった表示がされています。美白目的でスキンケア製品を選んでいる方は、この表示があるかどうかを一つの目安にするとよいでしょう。
○他の美白成分と併用する
美白成分には様々な種類があり、メラニンへのアプローチ方法が異なります。たとえば、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸なども美白成分と言われていますが、コウジ酸とは作用の仕方が違います。
ビタミンC誘導体はメラニンの生成を抑えるだけでなく、すでにできてしまったメラニンを無色化したり、肌のターンオーバーを整えたりする作用が期待される成分です。またトラネキサム酸は、炎症をきっかけとしたメラニン生成に着目した成分で、肝斑などのケアにも用いられることがあります。
このように作用の仕方が異なる成分とコウジ酸の両方をスキンケアに取り入れることで、積極的な美白ケアを行うことができます。
○エイジングケア成分と併用する
コウジ酸は美白成分であるため、シミやくすみ、そばかすの予防には一定の働きが期待できます。さらに積極的にエイジングケアをしたい場合には、コラーゲンの生成を促す働きのあるナイアシンアミドやレチノールなどを併用すると良いでしょう。役割の異なる成分を併用することで、日々のスキンケアを通して複数の悩みにアプローチすることができるでしょう。
コウジ酸をスキンケアに取り入れる際の注意点
コウジ酸は長年の使用実績があり、比較的取り入れやすい美白有効成分とされていますが、いくつか意識しておきたい注意点があります。
○即効性を求めすぎない
コウジ酸配合化粧品は医薬品ではなく、使用直後に肌が劇的に変わるといった即効性を感じられる成分ではありません。もちろん肌に合わない場合は無理して使い続ける必要はありませんが、短期間の使用で変化を感じられる可能性は高くないため、肌の変化を感じたい場合は、一定期間、継続して使う必要があります。
○紫外線対策も忘れない
コウジ酸は美白有効成分ですが、日焼け止めのような働きはありません。スキンケアにおいてコウジ酸を取り入れていても、日中に紫外線を浴び続けていると、メラニン生成が活発になってしまいます。スキンケアとあわせて、日焼け止めや帽子、日傘などで紫外線対策を徹底しましょう。
○肌が不安定な時は使用を控える
コウジ酸は安全性が評価されている成分ですが、すべての人に合うとは限りません。使用中に赤みや痒み、ヒリつきなどが出た場合は、「使い続ければ慣れる」と考えず、いったん使用を中止することが重要です。もし症状が続くような場合は、皮膚科に相談しましょう。また他の成分と併用する際には、一つずつ様子を見ながら取り入れることも重要です。
コウジ酸で無理のない美白ケアを
コウジ酸は、メラニン生成の初期段階に働きかけることで、シミやそばかすの予防が期待できる美白有効成分です。刺激が比較的少なく、日常的なスキンケアに取り入れやすい点も特徴といえるでしょう。
即効性が期待できる成分ではありませんが、紫外線対策や他の美白・エイジングケア成分と組み合わせながら継続して使うことで、変化を実感できることがあります。自分の肌に合った、無理のない美白ケアを続けていきましょう。
まとめ
- コウジ酸は、1988年に厚生労働省から承認された日本初の美白有効成分
- チロシナーゼの銅イオンと結合し、メラニン生成を穏やかに抑制する
- できてしまったシミを薄くすることよりも、将来のシミ・そばかす予防に向いた成分
- 刺激が比較的少なく、他の美白成分やエイジングケア成分と併用しやすい
- 紫外線対策とあわせて、継続的に使うことが美白ケアの基本