医療コラム
美容成分「EGF」とは?ハリ不足が気になる方が知りたい効果と化粧品の選び方を専門家が解説。
美容液やスキンケアの成分について調べる中で、「EGF」という名前を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。EGFは、加齢によるハリ不足やキメの乱れなどが気になり始めた方を中心に注目されている美容成分のひとつですが、「どんな成分なの?」「化粧品選びのポイントはある?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、EGFとはどのような成分なのかをはじめ、年齢に応じたスキンケアで注目されている理由や化粧品を選ぶ際のポイントについて、わかりやすく解説します。
EGFとは?注目される理由とは
EGFとは、「Epidermal Growth Factor(上皮成長因子)」の略称で、肌や粘膜などの表面を覆う「上皮細胞」と関わりのあるたんぱく質の一種です。もともとヒトの体内にも存在する成分で、上皮細胞にある受容体とEGFが結合し、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)が促されます。EGFには傷の回復を促す作用も期待できることから、やけどの皮膚移植など、医療の現場でも取り入れられてきました。EGFを発見したスタンレー・コーエン博士らは、1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
こうした肌の生まれ変わりに関わる作用は、美容の分野にも応用されています。加齢などによるターンオーバーの乱れは、ハリ不足やごわつきなど、様々な肌トラブルを引き起こすことから、EGFはエイジングケア向けの美容成分としても注目されています。美容医療の分野では、イオン導入やエレクトロポレーションなどの施術で用いられている他、2005年頃から国内で化粧品成分として使用されるようになりました。化粧品には、「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」や「ヒトオリゴペプチド-1」という名称で表示されています。
なお、EGFと間違われやすい成分として、「FGF(Fibroblast Growth Factor:線維芽細胞増殖因子)」という成分があります。肌のコラーゲンなどの元になる線維芽細胞に関わる作用を持ち、美容分野で注目されています。EGFとは異なる成分ですが、EGFとFGFをあわせて配合している化粧品もあります。
EGFに期待される働き
加齢や乾燥、紫外線などによって、ターンオーバーのサイクルは遅くなることが分かっています。中でも加齢の影響は大きく、一般的に20代では約28日のサイクルで生まれ変わっていた肌の細胞が、30代~40代になると40日~55日ほどかかるようになります。このような加齢に伴う肌環境の変化には、EGFを含むさまざまな因子が関わっていると考えられています。
加齢などによってターンオーバーのサイクルが乱れると、古い角質が肌の表面に残りやすくなり、キメの乱れやハリ不足、ごわつき、毛穴トラブルなどの原因になることがあります。化粧品などを通してEGFを補うことで、ターンオーバーが整いやすくなり、肌のコンディションを良好に保つことが期待されています。
EGF配合化粧品の選び方
EGF配合化粧品には様々な製品があります。ここでは、専門家の視点から選び方についてご紹介します。
○EGF協会マークを参考にする
EGF配合化粧品を選ぶ際は、日本EGF協会の認証マーク(https://egf-association.jp/)が一つの参考になります。この認証マークは、一定の基準を満たしたEGF配合製品に付与されているもので、粗悪品の流通を防ぐ目的で日本EGF協会が付与しています。「認証マークがない=悪い製品」というわけではありませんが、製品選びの参考として覚えておくと良いでしょう。
○専門医に相談しながら使いたい場合は医療機関専売品も検討を
EGF配合化粧品の中には、医療機関でのみ購入できる医療機関専売品もあります。医師に相談した上で購入を検討できるため、購入を検討中の方や、施術後のスキンケアに取り入れたい方は、医療機関専売品も選択肢の一つとなります。
○続けやすさも確認する
EGF配合化粧品は薬ではないため、何日か使ってすぐに効果を実感できるものではありません。EGFの働きを感じるためには、肌の状態を見ながら、継続して使用する必要があります。そして、継続するためには、使用感が自分に合っていることも重要なポイントです。
EGFは水溶性の成分のため、化粧水やみずみずしい使用感の美容液をよく見かけます。ただ、他にも様々なタイプの製品が販売されていて、保湿成分などを一緒に配合したクリームなどは、しっとりした使い心地が好きな方や保湿力を重視したい方におすすめです。
EGF配合化粧品を使う際の注意点
EGFは刺激の強い成分ではないため、比較的取り入れやすいですが、使用の際は次の点に注意しましょう。
○少量から試す
どの化粧品にもいえることですが、刺激性の低い成分であっても、肌質やその時の肌状態によっては、刺激感や赤み、痒みなどが出る可能性があります。特に乾燥が強い時期や、肌が敏感になっている時は注意が必要です。新しい化粧品を使う際は、まず少量から試し、肌の様子を確認しながら取り入れましょう。
○刺激の強い成分との併用は様子を見ながら
EGFは他の成分との併用が可能な成分です。ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分だけでなく、レチノールなどとも相性が良く、併用することができます。特にレチノールはターンオーバーを促す作用があるため、一緒に使うことでより積極的なケアをすることもできます。ただし、刺激性がやや強いため、肌が敏感な方は注意が必要です。
他の成分との併用はメリットもありますが、肌の状態をよく観察しながら取り入れましょう。
○保湿ケアや紫外線対策にも力を入れる
EGF配合化粧品を取り入れる場合も、毎日の保湿ケアや紫外線対策は欠かせません。乾燥や紫外線ダメージもターンオーバーの乱れにつながるため、しっかり保湿ケアを行いながら、日焼け止めなどによる紫外線対策を継続しましょう。
毎日のスキンケアにEGFという選択肢
EGFは、ハリ不足やキメの乱れに悩む方にも注目されている美容成分です。「EGF配合だからすぐに肌が大きく変わる」というものではありませんが、加齢による肌の変化が気になり始めた方は、毎日のスキンケアの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- EGFは「上皮成長因子」と呼ばれるたんぱく質の一種で、肌のターンオーバーとの関係が研究されている美容成分
- 加齢によってターンオーバーのサイクルが乱れると、乾燥やキメの乱れ、ハリ不足、毛穴の目立ちなどにつながることがある
- EGFをスキンケアとして取り入れることで、乾燥によるハリ不足が気になる肌のコンディションを整えることが期待されている
- EGF配合化粧品には、美容液や医療機関専売品など様々なタイプがあり、EGF協会の認証マークも製品選びの参考になる
- EGF配合化粧品は医薬品ではないため、保湿ケアや紫外線対策もあわせて継続的に取り入れることが大切である