ひどい毛穴にはフラクショナルレーザー?ダウンタイムや治療回数はどれくらい?

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)

毛穴の開きが気になってセルフケアに励んでいるのに、なかなか改善せず、頭を抱えている人はいませんか?実は、毛穴の開きをセルフケアだけで改善するのには、限界があります。そんな時には美容医療のチカラを借りるのも方法の一つ。たとえば、フラクショナルレーザーは、毛穴の開きに効果を発揮するレーザー治療です。どんな治療法なのか、ご説明していきましょう。

毛穴の開きに効果を発揮!フラクショナルレーザーとは?

フラクショナルレーザーは、肌の生まれ変わりを促進するレーザー治療です。美容皮膚科でのレーザー治療というと、シミ(老人性色素斑)に対する治療を思い浮かべる人が多いかもしれません。老人性色素斑の場合、一般的にシミにピンポイントでレーザーを照射し、メラニンを破壊することで、シミを薄くしていきます。
これに対してフラクショナルレーザーは、毛穴などが気になる部位にレーザー機器を当て、小さな点状に無数のレーザーを照射します。レーザーを照射された肌は、一時的に組織が破壊されますが、それを修復しようとする力が働き、肌の再生が進んでいきます。そして、その過程でコラーゲンなどが作られるため、治療を重ねることで、肌がふっくらした状態になり、毛穴の開きやニキビ跡などが目立たなくなっていきます。

フラクショナルレーザーは肌へのダメージを抑えた治療法

フラクショナルレーザーは、小さな点状にレーザーを当て、部分的に健康な皮膚(レーザーを照射していない)を残します。これによって、熱によるダメージを最小限に押さえながら、肌の再生を促進することが可能になります。
これまでの研究では、1回の治療で10~15%の皮膚が生まれ変わることが報告されていて、治療を複数回続けると、肌の再生がさらに進んでいくことがわかっています。その結果、毛穴の開きや凹凸のあるニキビ跡、小じわ、たるみ、傷痕などの改善が期待できます。

フラクショナルレーザー:治療の流れ

一般的には、次のような順番で治療が行われます。

〇カウンセリング

フラクショナルレーザーを行う前に、医師がカウンセリングを行います。気になる症状はもちろん、治療にあたって心配なことがあれば、必ず確認しましょう。

〇治療

最初に麻酔用のクリームを塗ります。30分ほど経ったら麻酔クリームを落とし、治療を開始していきます。照射部位にもよりますが、治療にかかる時間は20分ほどです。治療中の痛みは、麻酔クリームを塗るため緩和されますが、じりじりとした熱さを感じます。

〇クーリング

治療部位を冷やします。治療後には赤みが出て、1時間程度じりじりと熱い感じが続きます。クーリングが終わったら、炎症止めの薬を塗ります。

フラクショナルレーザーの治療回数

フラクショナルレーザーは、一般的に5~10回程度、治療を続けることで、より効果を実感できるようになります。クリニックによっては、1クール5回(または6回)といったように、回数が決まっているところもあるので、事前に確認するようにしましょう。また、治療は、1か月~1か月半ほどの間隔を空けて行われるため、トータルで半年から1年間ほどかかることがあります。ただし、治療したい範囲や、お肌の状態によっても変わるので、カウンセリングの段階で、治療期間のおおよその目安についても、確認しておきましょう。

フラクショナルレーザーのダウンタイム

フラクショナルレーザーを照射した部位は、翌日からメイクをすることができます。よくある症状として、治療後に赤みが1~2日程度続いた後、薄いかさぶたができますが、7~10日程度で自然とはがれていきます。

フラクショナルレーザーの注意点

次に当てはまる人は、治療を受けられないことがあるため、まずはクリニックで相談してみましょう。

  • 日焼けをしている(する予定がある)人
  • 妊娠中や授乳中の人
  • ケロイド体質の人

このほか、治療後は紫外線の影響を受けやすいので、UV対策を徹底することが重要です。また、治療の影響で色素沈着が起こることがあります。症状が出た場合には医師に相談しましょう。

フラクショナルレーザー:毛穴に悩む人にはダーマペン4もおすすめ

レーザー治療に抵抗がある人や、治療後の色素沈着などが気になる、という人には、「ダーマペン4」がおすすめです。ダーマペン4は、極細の針のついた機器を使って肌に小さな穴を開ける治療法です。フラクショナルレーザーと同じように、肌の再生を促すため、毛穴の開きやニキビ跡、たるみといった症状にアプローチすることができます。
これだけを見ると、フラクショナルレーザーとよく似ているようにも思えますが、ダーマペン4では、レーザーは使いません。そのため、肌へのダメージをさらに抑えることができ、また、色素沈着の心配もありません。さらに、ダウンタイムはフラクショナルレーザーよりも短く、治療から12時間ほど経てば、メイクをすることも可能です。

このように、同じ肌悩みに対しても、美容皮膚科にはさまざまなアプローチの方法があります。治療法によって、期待できる効果はもちろん、ダウンタイムの長さや治療にかかる期間、治療費、副作用やリスクなどが異なりますから、美容皮膚科での治療に興味のある人は、一度、相談してみることをおすすめします。

まとめ

  • フラクショナルレーザーは、毛穴などが気になる部位にレーザー機器を当て、小さな点状に無数のレーザーを照射する治療法
  • フラクショナルレーザーを受けると、肌の再生が進んで、毛穴の開きやニキビ跡が改善される
  • フラクショナルレーザーは、点状照射により部分的に健康な皮膚を残すので、熱によるダメージを最小限に押さえることができる
  • これまでの研究では、1回の治療で10~15%の皮膚が生まれ変わることが報告されていている
  • フラクショナルレーザーで期待できる効果としては、毛穴の開きや凹凸のあるニキビ跡、小じわ、たるみ、傷痕など
  • フラクショナルレーザーは一般的に5~10回程度、治療を続けることで、より効果を実感できるようになる
  • 治療後の赤みは1~2日程度続いた後、薄いかさぶたができ、それが7~10日程度で自然とはがれる
  • 日焼けをしたり、その予定がある人、妊娠中・授乳中の人、ケロイド体質の人は治療を受けられないことがある
  • 治療後はUV対策を徹底すること
  • 治療後に色素沈着が起こることがある
  • レーザー治療後の色素沈着などが気になる場合はダーマペン4も検討するとよい