医療コラム
美容医療でよく聞くハイフって何?効果やハイフ搭載のダブロなどの施術について解説
年齢と共に気になってくる顔のたるみ。そんなお悩みに効果的な「ハイフ」という治療法を聞いたことはありますか?ハイフは、メスを使わずに高いリフトアップ効果を期待できる、人気の施術です。ハイフの効果や具体的な施術の内容についてお伝えします。
ハイフとは?
今回ご紹介するハイフ(HIFU)は、「高密度焦点式超音波」を意味するもので、正式名称は「High Intensity Focused Ultrasound」と言います。その頭文字をとって通称HIFUと呼ばれており、名前の通り、高密度の超音波エネルギーを使うリフトアップ施術の一つです。
美容医療でたるみを根本的に改善したいとき、以前はメスを用いた手術を受けることが一般的でした。しかしハイフは、超音波を皮膚の深い部分にあるSMAS筋膜の一点に集中させ刺激を与えることで、皮膚の表面にダメージを与えずたるみを引き締めることができます。この仕組みは、虫眼鏡で太陽の光を集めると、熱が集中するイメージに近いもので、ピンポイントに点状の高い熱エネルギーを発生させることができます。ハイフの技術を使った美容機器は、次世代のフェイスリフトとも称され、この頃人気を集めています。
たるみ改善には、肌深部へのアプローチが重要
年を重ねるごとに顔のたるみが生じてくるのには、いくつかの原因が関わっています。単なる皮のように見える皮膚は、実は外側から、表皮・真皮・皮下組織という構造に分かれて成り立っています。真皮層にはコラーゲンやエラスチンが網目状に張り巡らされており、肌のハリや弾力を保っています。しかし、加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少すると、肌を支えられず、たるみが生じてくるのです。加えて、紫外線や乾燥も、ハリを低下させる外的要因の一つです。
さらに、皮下組織と表情筋の間には、SMAS筋膜と呼ばれる、コラーゲンで形成された膜があります。SMAS筋膜は肌を支える一番の土台と言えるものですが、肌深部のこのような組織も、加齢によってゆるみ、たるみを招いてしまうのです。
そのため、たるみを根本的に改善するには、肌表面だけでなく、深部にまでアプローチし土台を引き締めることがとても重要になります。日々のスキンケアや美顔器、エステのマッサージなどは真皮層や脂肪層に働きかけるもので、なかなかたるみ改善の効果を感じづらかったり、すぐに元に戻ってしまうことも。しかし、SMAS筋膜をねらって照射するハイフは土台を引き締めるため、高い効果が期待できます。また、以前はメスを用いた手術でなければSMAS筋膜にアプローチできませんでしたが、手術の痛みや術後のダウンタイムは大きなネックでした。しかしハイフの施術は、痛みやダウンタイムがほとんどなく、たるみを改善することができます。
紫外線対策
乾燥対策
ハイフの施術はさまざま
ハイフの施術は、医療機関だけでなく、エステサロンなどでも受けることができます。ただし、皮膚科や美容外科といった医療機関とエステサロンとでは、取り扱う機器が異なる点で注意が必要です。エステサロン用のマシンは、医療機関で使用される機器よりも低出力となるため、効果は緩やかになります。より高い効果を得たい場合は、医師の指示のもとによって高出力の機器が使用される医療機関でハイフの施術を受けることをおすすめします。
また、医療機関で取り扱われるハイフの機器にも様々な種類があり、その技術は年々進歩しています。代表的なハイフ搭載機器の施術の詳細についても見ていきましょう。
痛みが少なく、美肌効果も得られる「ダブロ」
ダブロ(Doublo)は、ハイフを利用したたるみ治療として、人気が高いものです。従来のたるみ治療機器と比較して、より均一にエネルギーを照射できるようになったため効率が良く、スポットサイズが広いため、パワーが分散されて痛みを感じにくくなっています。従来型としてメジャーな「ウルセラ」は、照射ムラがあり局所的にエネルギーが集中して痛みを感じやすいというデメリットがありました。しかし、ダブロは、ウルセラよりもドットが丸に近いため、痛みを感じにくく負担が少ない設計になっています。メスを使わずSMAS筋膜へ刺激を与えることでリフトアップが叶う上、皮下組織層にも超音波をあてることができるためコラーゲンやエラスチンの生成が促進されて美肌効果も期待できます。
施術の所要時間は、部位にもよりますが1〜1.5時間程度。ダウンタイムも少なく、施術直後からフルメイク可能です。個人差はありますが、ごくまれに腫れが1〜2週間程度続いたり、筋肉痛のような違和感が残るケースもありますが、時間の経過と共に改善します。ダブロの効果は、たるみの引き上がりは施術直後から、ハリ感は2〜3週間後に出始め、3〜4週間後にピークとなり、その後約3ヶ月かけて徐々に元に戻ると言われています。効果をキープしたい場合は、3〜4ヶ月間隔を開けて、定期的に施術を受けることがおすすめです。
ハイフの施術は信頼できる医療機関で
ダブロ以外にも、ハイフを搭載した美容機器にはさまざまな種類があり、どのような機器を取り扱っているかは場所によって異なります。根本的な原理は近いものですが、治療効果や痛み、費用などの面で差があるため、気になる場合はまずカウンセリングを受けることが大切です。
また、機器の違いに加えて、実際に施術を行う術者の技術の高さによっても、リフトアップ効果や効果が持続する期間は変わってきます。施術に熟練した医師や看護師がいるなど、信頼できる医療機関を見つけることが、納得のいく治療を受けるための近道です。
まとめ
- ハイフ(HIFU)は「高密度焦点式超音波」を用いたリフトアップ施術の一つ
- 超音波でSMAS筋膜に刺激を与えることにより、皮膚の表面にダメージを与えずたるみを引き締められる
- 加齢によりコラーゲンやエラスチンが減少したり、SMAS筋膜がゆるむとたるみが生じる
- たるみを根本的に改善するには、肌を支える土台のSMAS筋膜に刺激を与えることが重要
- 手術によるフェイスリフトと比較し、ハイフは痛みやダウンタイムが圧倒的に少ない
- ハイフの施術メニューはエステサロンなどにもあるが、医療機関とは取り扱える機器の種類が異なる
- 医療機関でメジャーなダブロは、ハイフを搭載したたるみ治療で美肌効果も得られる
- 施術直後からフルメイク可能で、治療による日常生活への影響はほとんどない
- 治療効果をキープしたい場合は、3〜4ヶ月間隔で施術を繰り返し受ける必要がある
- 納得のいく治療を受けるためには、信頼できる医療機関を見つけることが重要