白玉点滴(グルタチオン点滴)とは?効果や施術頻度について解説。

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)

白く美しい肌を目指すことができる「白玉点滴(グルタチオン点滴)」。その名前から美白効果が高そうなイメージがありますが、実際にどのような施術なのでしょうか。そこで、白玉点滴の効果やおすすめの施術頻度について解説します。

白玉点滴(グルタチオン点滴)の主成分「グルタチオン」について

白玉点滴とは、「グルタチオン」を主成分とする点滴のことで、「グルタチオン点滴」とも呼ばれています。
グルタチオンは、アミノ酸の仲間である「グルタミン酸」と「システイン」、「グリシン」の3つが連なってできるペプチド(アミノ酸の化合物)で、ヒトの体内にもともと存在する物質です。体内では様々な細胞に分布していますが、特に皮膚や肝臓、目(水晶体や角膜)などに多く存在しています。グルタチオンには抗酸化作用や、肝機能を改善して解毒を助ける作用があります。身体にとって必要なグルタチオンですが、体内の濃度は20代をピークに減少していくことが分かっています。また、加齢以外に紫外線なども体内のグルタチオン濃度が減少する要因になります。そのため、特に20代以降は意識して体外から取り入れることが必要です。

白玉点滴(グルタチオン点滴):グルタチオンを取り入れる方法

グルタチオンを取り入れる最も手軽な方法は、食事による摂取です。ブロッコリーやアスパラガス、カリフラワーなどの野菜や、豚レバー、牛レバー、タラなどはグルタチオンを多く含む食品です。また、内服薬やサプリメントで摂取することもできます。ただし、日本ではグルタチオンは医薬品に分類されていて、摂取したい場合は、クリニックで内服薬として処方してもらう必要があります。ただし美容目的の処方は一般的でないため、処方可能か事前に確認の必要があります。
またサプリメントでも取り入れることができます。

経口摂取以外に、美容クリニックでの点滴や注射もグルタチオンを取り入れる方法の一つです。食べ物や医薬品による経口摂取は手軽な一方で、吸収率が低いと言われていますが、これに対して、点滴や注射は血管内に直接グルタチオンを取り入れられるため、効果をより実感しやすいでしょう。クリニックに行く手間はかかりますが、効果を実感したい人は検討してみると良いでしょう。

白玉点滴(グルタチオン点滴)に期待できる効果

グルタチオンを主成分とする点滴は、パーキンソン病や慢性肝疾患(による肝機能の低下)、がんの化学療法による末梢神経障害、妊娠中のつわりなど、様々な疾患の治療にも用いられていますが、ここでは美容クリニックなどで受けられる「白玉点滴(グルタチオン点滴)」の効果をメインにご紹介します。

〇抗酸化作用による肌の老化予防

抗酸化作用とは、過剰に増えた活性酸素から身体を守る働きのことです。活性酸素は、その名のとおり体内の酸素が活性化したもので、身体にとって重要な働きをする一方で、増えすぎると細胞やたんぱく質を損傷させてしまい、老化を早める原因となります。たとえば、活性酸素によって皮膚の線維芽細胞が傷つくと、コラーゲンやエラスチンなどが生成されにくくなり、肌のハリやツヤの低下、しわ、乾燥などの原因になります。
グルタチオンを効果的に取り入れ、活性酸素の攻撃から皮膚の細胞を守ることは、肌の老化予防につながります。

〇美白効果

グルタチオンにはメラニンの生成を抑える作用があり、シミやくすみの予防効果が期待できます。さらに、すでに作られてしまった色の濃いメラニンを薄いメラニンへ変える作用もあります。そのため、シミやくすみを目立ちにくくして肌全体を明るく見せる効果や、美白効果も期待できます。

〇肝機能の改善によるデトックス効果、疲労回復効果

グルタチオンは解毒作用を持つ肝臓の働きをサポートするため、デトックス効果が期待できます。また、老廃物の蓄積は疲れの原因になるため、白玉点滴を受けることで疲労感を軽減することができます。
その他、肝機能が改善されるため、二日酔いを緩和したい時にもおすすめです。

白玉点滴(グルタチオン点滴)の施術内容

白玉点滴を受けてみたい人は、美容皮膚科などに相談してみましょう。
点滴は、ベッドで横になった状態で行います。所要時間は10~30分ほどで、基本的にはリラックスして受けられる施術です。

白玉点滴(グルタチオン点滴)を受ける時の注意点

白玉点滴の安全性はとても高いのですが、次の点には注意しましょう。

〇既往歴、アレルギーの有無を正確に伝える

白玉点滴(グルタチオン点滴)を受ける際には、事前に既往歴を正しく伝えておくことが重要です。持病によっては受けられない可能性があるため、注意しましょう。
また、アレルギーの有無についても正しく伝えましょう。特にグルタチオンに対するアレルギーがある場合は受けることができません。さらにクリニックによっては、グルタチオン以外の成分が含まれていることがあり、別の成分に身体がアレルギー反応を起こす可能性もあります。クリニックによって含まれる成分が異なるため、既往歴とともに、アレルギーの有無や種類についても、正確に伝えましょう。

〇施術中や施術直後に体調が悪くなったらスタッフに申し出る

非常にまれですが、吐き気やめまい、頭痛などの副作用を訴える人もいます。点滴中や点滴後に体調が悪くなった場合は、我慢せず申し出るようにしましょう。

以上のような基本的な注意点はありますが、白玉点滴の安全性はかなり高いため、過度に心配する必要はないでしょう。

白玉点滴(グルタチオン点滴)は定期的に受けるのがおすすめ

白玉点滴の効果は永続的なものではありません。そのため、肌の老化予防や美白効果を期待する場合には、定期的な通院が必要です。個人差はありますが、1~2週間に1回の頻度を5~10回ほど続けることで、効果を感じられるようになる人が多いです。すぐに効果を感じられない施術のため、通院が負担に感じることがあるかもしれませんが、地道に継続することが理想の肌に近づく一歩となるでしょう。
また、白玉点滴と高濃度ビタミンC点滴は同日に行うと、白玉点滴に含まれるグルタチオンが酸化したビタミンC(酸化型ビタミンC)の活性酸素を除去し、元の姿である「還元型ビタミンC」に戻してくれるため、美白効果、抗酸化効果、疲労回復などの相乗効果が期待できます。
白玉点滴が気になっている人は、まずはカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 白玉点滴は、抗酸化作用や肝機能改善に効果があるグルタチオンを主成分とする点滴である
  • 美白効果やシミ・くすみの改善、老化予防効果、デトックス効果が期待できる
  • グルタチオンは食事やサプリメントでも摂取可能だが、点滴や注射のほうが吸収率は高く、効果を感じやすい
  • 施術は美容クリニックで行われ、所要時間は10~30分程度
  • 効果を持続させるためには定期的な施術が必要である