医療コラム
フラーレン配合化粧品の魅力とは?スキンケア効果やレチノールとの違いを解説。
フラーレンはエイジングケアに役立つ成分として知られていますが、具体的にどんな効果が期待できるのでしょうか。また、同じく人気の高い美容成分であるレチノールとはどう違うのでしょうか。フラーレンの特徴やスキンケア効果について、レチノールとの比較を交えながら、わかりやすく解説します。
抗酸化力の高さと持続性が魅力のフラーレン
フラーレン(C60)は、60個の炭素原子がサッカーボールのように共有結合した分子です。ユニークな化学反応が期待できることから、これまで医薬品やエンジンオイル、有機太陽電池など、幅広い分野で研究が進められてきましたが、1990年代に高い抗酸化作用があることが発表されると、化粧品の原料としての開発が盛んになりました。抗酸化作用とは、紫外線やストレス、生活習慣などによって発生する活性酸素を除去したり、その働きを抑えたりする作用のことです。活性酸素は身体の酸化を促し、肌においてはしわやシミ、肌荒れ、炎症などの原因となります。そのため、抗酸化作用のある美容成分はエイジングケアに役立つ成分として人気を集めています。抗酸化力のある成分と言うと、ビタミンCが有名ですが、フラーレンはその約250倍もの抗酸化力を持つとも言われています。
また、フラーレンの抗酸化作用が注目されるもう一つの理由は、その持続力の高さです。一般的な抗酸化成分は、自身が酸化されることで活性酸素の働きを抑制するため、抗酸化力が長くは続きません。一方でフラーレンの場合は、活性酸素自体を吸着したり分解したりすることで酸化を抑えます。フラーレン自体が酸化されない分、その力をキープすることが可能で、持続時間は11時間以上とも言われています。
フラーレンの種類
抗酸化作用による肌へのポジティブな効果を期待して、美容成分として注目されたフラーレンですが、水や油に溶けにくく、また凝集性が高いという性質があり、化粧品への配合は簡単ではありませんでした。そこで、様々な研究が行われ開発されたのが、「ラジカルスポンジ(RS)」や、「リポフラーレン(LS)」などです。「ラジカルスポンジ(RS)」は、水溶性の高分子であるPVP(ポリビニルピロリドン)でフラーレンを包み込み、水に溶けやすくしたものです。またリポフラーレン(LF)は、フラーレンに植物性スクワランを配合することで、油に溶けやすくしたものです。
その他にも、保湿力や浸透力の高い「モイストフラーレン(MF)」、パウダー化粧品に配合しやすい「ヴェールフラーレン(VF)」など、これまで様々な種類のフラーレンが開発されてきました。こうした研究の成果もあり、今では多くのスキンケア製品に配合されるようになってきています。また、任意ではありますが、フラーレンを規定値以上配合した化粧品にはロゴマークを掲載することもできるので、選ぶ際の参考にするのも良いでしょう。
フラーレンに期待できるスキンケア効果
高い抗酸化作用を持つフラーレンは、エイジングサインや肌トラブルの原因となる「活性酸素」にアプローチできる成分として、多くの効果が期待されています。ここでは、特に注目すべき美容効果についてご紹介します。
(1)シミやくすみ、炎症後の色素沈着を予防する
紫外線を浴びると、肌の中で活性酸素が発生します。活性酸素は肌を守るために作られますが、メラノサイトを刺激する作用もあります。活性化したメラノサイトはメラニンを大量に作り出し、シミやくすみの原因となります。フラーレンには、紫外線や炎症によって発生する活性酸素を除去する作用があるため、シミやくすみを予防する効果が期待できます。また、ニキビ痕や日焼け後の炎症後色素沈着にも効果的という報告もあります。
(2)しわやたるみを予防する
加齢によるしわやたるみにも、活性酸素が関係しています。紫外線を浴びることで発生した活性酸素は、肌のハリや弾力を保つために重要なコラーゲンなどを分解してしまいます。フラーレンを取り入れると、活性酸素によるコラーゲンなどの分解を抑えることができるため、しわやたるみの予防に役立ちます。
(3)赤みや炎症を抑える
肌のバリア機能が低下すると、乾燥や刺激に敏感になり、炎症が起きやすく、乾燥、赤み、痒みといった肌トラブルが起きやすくなります。フラーレンには、皮膚の水分が蒸散するのを抑えたり、活性酸素によって弱ったバリア機能を回復したりする働きがあります。
また、フラーレンは刺激が少ない成分のため、バリア機能が低下しやすい肌や、美容レーザー後などで一時的に炎症や肌荒れが起きやすくなっている状態の肌にも使いやすいでしょう。
(4)併用する美容成分の酸化を防ぐ
フラーレンの抗酸化作用は、肌に対するものだけではありません。一緒に使用する美容成分の酸化を防ぐ作用もあります。たとえば、ビタミンCはフラーレンと同じく抗酸化作用がある他、美白作用のある成分としても人気ですが、酸化しやすいという性質があります。そこでフラーレンと一緒に使うことによって、ビタミンCが酸化されずに肌に浸透しやすくなります。このように、フラーレンには併用する成分の酸化を防いで、その成分の働きをより高める作用も期待できます。
抗酸化作用の高いフラーレンは、シミやくすみ、しわなどのエイジングサインから、バリア機能の低下による赤みや炎症を回復する働きまで、幅広い肌悩みの解消に役立ちます。
フラーレンとレチノールの違い
フラーレンと並んで美容成分として高い人気を誇るのが、レチノールです。レチノールはビタミンAの一種であり、肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促進する作用、コラーゲンなどの生成を促す作用、皮脂分泌をコントロールする作用などがあります。
どちらも人気の高い美容成分ですが、どのような違いがあるのでしょうか。作用、刺激性、使用方法の3つの点を比較してみましょう。
(1)作用の違い
- フラーレン
美容成分としてのフラーレンの主な作用は、抗酸化作用です。紫外線やストレスによって発生する活性酸素を除去することで、シミやくすみ、ニキビ痕、しわやたるみといった肌トラブルを予防します。また、活性酸素によって低下したバリア機能を回復させる働きもあります。 - レチノール
ターンオーバーのサイクルを整え、シミやくすみ、ニキビ痕などを改善します。また、古い角質の蓄積が原因で起こる毛穴の詰まりや開き、ごわつき、キメの低下などの改善にも効果を発揮します。
また、肌のハリやツヤに欠かせないコラーゲンなどの産生を促す作用や、肌表面(表皮)に存在するヒアルロン酸の生成を促す作用も確認されています。 さらに、皮脂コントロール作用もあることから、ニキビ予防にも役立ちます。
(2)肌への刺激性
- フラーレン
安定性が高く、肌への刺激が少ない成分です。アレルギー反応も起こりにくく、肌タイプを問わず、多くの人にとって使いやすい成分と言えるでしょう。即効性が高いわけではありませんが、毎日のスキンケアに取り入れやすく、ゆるやかに肌を整えていくのが特徴です。 - レチノール
使い始めに、赤みや皮むけ、乾燥などが現れることがあります。これは、「レチノイド反応」や「A反応」と呼ばれるものです。急激に肌の新陳代謝が促されることが原因で、ビタミンAが少ない肌ほど症状が出やすいと言われています。ただし、レチノイド反応は一時的なもので、使い続けていくうちに症状は治まっていきます。
(3)使用方法の違い
- フラーレン
安定性が高く、紫外線の影響を受けにくいため、朝晩のどちらのケアにも使うことができます。また、他の成分とも併用することができます。 - レチノール
紫外線に弱く、変性しやすいため、夜のみの使用が推奨されることが一般的です。また、レチノール配合化粧品の使用中は、日中の紫外線対策も重要です。絶対に併用してはいけない成分はありませんが、レチノールは肌への刺激がやや強いため、特に肌が敏感な人が併用する場合は少量ずつ試すなど、慎重に判断しましょう。
ちなみに、フラーレンとレチノールは併用も可能ですが、刺激が気になる場合はパッチテストをしたり、クリニックなどで相談したりすると安心です。
フラーレン配合化粧品の選びに迷ったらクリニックに相談を
フラーレンは高い抗酸化力があり、また刺激性が低いため、エイジングケアをしたい人にとっては、取り入れやすい成分と言えるでしょう。フラーレン配合化粧品はたくさんあるため、使いやすいものや自分に合っているものを選ぶことが一番ですが、医師に相談しながら使いたい場合は、クリニックなどで販売されているドクターズコスメを選ぶのも一つです。ドクターズコスメには、今回比較したレチノール配合化粧品もあるため、どちらを使えばよいのかわからない場合も、クリニックで相談してみてください。
まとめ
- フラーレンは高い抗酸化力があり、エイジングサインが気になる肌にアプローチできる成分である
- フラーレンには、活性酸素を吸着・除去することでシミやくすみ、炎症後の色素沈着、しわ、たるみなどを予防する効果や、バリア機能を回復させる効果が期待できる
- フラーレンは安定性が高く刺激が少ないため肌質を問わず使いやすく、他の美容成分の酸化を防ぐため、相乗効果も期待できる
- フラーレンとレチノールはどちらも人気の高い成分だが、相違点が多い
- フラーレンは抗酸化作用、レチノールはターンオーバーの促進作用などがある
- フラーレンの刺激性は低いが、レチノールはA反応が起こることがある
- フラーレンは朝晩使用可能だが、レチノールは紫外線に弱いため、夜のみの使用が推奨されている
- フラーレン配合化粧品選びで困ったら、医師に相談しながら試せるドクターズコスメも検討してみると良い