医療コラム
注目の美容成分「PDRN」と「PN」の違いとは?特徴・効果・持続性など解説。
「PDRN」や「PN」といった成分名を聞いたことがある人もいることでしょう。これらはいずれもサーモン由来の成分で、加齢や紫外線、ストレスなどでダメージを受けた肌細胞の修復を促す働きがあることから、美容医療の分野で注目されています。美容大国・韓国でも多くのクリニックで採用され、その効果は広く認められていますが、この2つはどう違うのでしょうか。そこでこの記事では、それぞれの特徴や期待される効果、持続性を比較して解説します。違いを正しく知って、施術選びの参考にしてみてください。
PDRNとPNの違い(1)特徴
PDRNとPNはどちらも魚のサーモン由来のDNAの一部です。サーモンと聞いて驚く人もいるかもしれませんが、ヒトのDNA構造と非常に似ているため、アレルギーや副作用のリスクが少なく、安全性の高い成分とされています。
まずは、各成分の特徴を見ていきましょう。
〇PDRN
PDRN(Polydeoxyribonucleotide:ポリデオキシリボヌクレオチド)は、サーモンの生殖細胞などから抽出されたDNAの一部です。再生医療の分野で創傷治癒などに使われてきた成分であり、近年では美容の分野でも注目を集めています。美容医療の分野では、エイジングケア効果が期待できる「PDRN注射」や「サーモン注射」で用いられています。
〇PN
PN(Polynucleotide:ポリヌクレオチド)は、サーモンの精巣から抽出された高分子のDNAの一部です。細胞の再生や修復をサポートする作用があり、PDRNよりも分子量が大きく純度が高い成分です。このPNを用いた代表的な施術は「リジュラン注射(高濃度サーモン注射)」で、韓国を中心に広がり、日本国内でも、エイジングケア治療として多くのクリニックで取り入れられています。
どちらも、肌細胞の修復や再生を促す作用がありますが、分子の大きさや純度が異なります。PNのほうが分子量が大きく高純度で、分解や吸収が緩やかなため、PDRNよりも真皮層に長くとどまりやすいのが特徴です。分子量の違いは、肌への作用や持続性に大きく影響します。
PDRNとPNの違い(2)作用や期待できる美容効果
PDRNもPNも共通して、肌細胞の修復・再生を促す作用があります。共通する作用は以下です。
〇線維芽細胞を活性化する
真皮層に存在する線維芽細胞(せんいがさいぼう)は、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを作り出す細胞です。PDRNやPNは、この線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成を促します。これにより、肌のハリや弾力が高まり、小じわや毛穴の開き、たるみなどが改善しやすくなります。
〇ターンオーバーを促進する
肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常に整えます。古くなった細胞が剥がれ落ち、新しい細胞が生まれるサイクルが整うことで、シミやくすみ、乾燥、ハリ不足といった肌悩みの改善をサポートします。
〇血流を改善する
新しい血管の形成を促す「血管新生作用」があります。新しい血管ができることで肌の血流が改善すると、細胞に酸素や栄養が行き渡りやすくなり、肌全体がトーンアップしたり、くすみや目の下のクマが改善されたりします。
〇炎症を抑えて肌荒れを改善する
炎症を抑える作用があり、肌荒れやニキビの予防・改善に役立ちます。さらに、慢性的な炎症による肌老化やバリア機能の低下も防ぐことができます。
これらの作用や効果はPDRNとPNのどちらにも期待できますが、分子量の違いにより、高分子のPNのほうが真皮層により長くとどまります。そのため、特に肌の根本的なハリや弾力不足、深い小じわ、目立つ毛穴の開きといった悩みに対しては、PNのほうがより確かな効果を実感しやすい可能性があります。
PDRNとPNの違い:持続性
PDRNとPNの分子量の違いは作用の持続性にも影響します。
〇PDRN
分子が小さく、分解・吸収されやすいため、PNに比べると効果の持続性は短いとされています。
〇PN
高分子で、効果の持続期間もより長いのが特徴です。PNを主成分とするリジュラン注射では、通常2〜3週間おきに3〜4回の施術を行うと、その後は半年程度、効果が持続します。
なお、効果の持続性には個人差があり、肌質や生活習慣、施術後のケアによっても変動する可能性があります。
PDRNとPNの違い:取り入れ方
ここまでPDRNとPNの違いを説明してきました。最後に、2つの成分の取り入れ方を紹介します。
〇PDRN
PDRNは、「PDRN注射」や「サーモン注射」としてクリニックで施術が行われていますが、最近ではPDRNを配合したスキンケアコスメも多く登場し注目を集めています。PDRNが配合された美容液やクリーム、フェイスマスクなどは、肌のキメを整えたり、潤いやハリ感を高めたりする目的で使われています。注射のように高い効果を得るのは難しいものの、「まずは手軽に始めたい」「自分に合っているか試したい」という人にとっては、取り入れやすい方法です。
〇PN
PNを取り入れるなら、医療機関での施術として取り入れるのがおすすめです。リジュラン注射(高濃度サーモン注射)は、複数回の施術を通じて、肌の土台からコンディションを整えることが期待でき、肌のハリや弾力の改善、小じわや毛穴の目立ちといった構造的な肌悩みに効果を発揮します。目元や首元など、他の注入治療ではアプローチが難しい部位に対応できるのも、大きな特徴です。施術時の痛みがやや強いというデメリットはありますが、リジュラン注射には複数の種類があり、痛みを抑えたものを取り扱っているクリニックもあります。痛みが心配な人は、クリニックに相談してみましょう。
なお、PNを配合した化粧品もありますが、注射のように真皮層へ直接届けることはできないため、確かな効果を実感したい人には医療機関での施術が推奨されます。「自然なエイジングケアがしたい」「肌全体を根本から整えたい」と考える人にとって、リジュラン注射は有力な選択肢になるでしょう。
PDRNとPNには共通点もありますが、持続性や施術頻度には違いがあります。自分に合った方法を選びたい方は、美容皮膚科で相談してみるとよいでしょう。
まとめ
- PDRNとPNはいずれもサーモン由来の成分であり、肌細胞の修復や再生を促す作用を持つが、分子の大きさや持続性に違いがある
- PDRNとPNは、ターンオーバーの促進、線維芽細胞の活性化、血流の改善、炎症の抑制といった作用がある
- PNは、真皮層にとどまる時間がより長いため、ハリや弾力、小じわ、毛穴の開きなどの構造的な肌悩みに対する効果を実感しやすい
- 持続性はPNの方が高く、2〜3週間ごとの施術を数回行うことで、半年程度の効果が期待できる
- 取り入れ方として、PDRNは注射だけでなくスキンケアコスメとしても利用可能である一方、PNは医療機関での施術(リジュラン注射)によって取り入れるのがおすすめ