ツボクサエキス(CICA)の美容成分とは?スキンケアにおいて期待できる効果を解説。

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)

韓国コスメをきっかけに注目されるようになったツボクサエキス(CICA:シカ)。ツボクサエキスは薬草として世界中で使われてきた歴史がありますが、スキンケアにおいてはどんな効果が期待できるのでしょうか?ツボクサエキス(CICA)について詳しく解説します。

ツボクサエキス(CICA)とは

ツボクサエキスは、セリ科の植物であるツボクサの茎や葉から抽出されたエキスです。「センテラエキス」や「CICA」とも呼ばれています。
ツボクサエキスは、最近は美容成分として人気ですが、もともとは世界中で薬草として使われてきました。アーユルヴェーダでは強壮剤として、東南アジアや西洋では傷や皮膚炎の治療薬として昔から使われています。野生のトラがツボクサエキスを塗って傷を治した、という言い伝えがあり、このことから「タイガーハーブ」という別名まであります。また、「CICA」という名前は、瘢痕(はんこん:傷痕のこと)を意味する英語の「cicatrix」が語源、とも言われていて、このような説からもツボクサエキスが傷痕の治療薬としてよく使われていたことが分かります。ちなみに、「CICA」の名前の由来は他にもあり、ツボクサエキスの学名である「Centella Asiatica」の頭文字(C、A)と末尾の文字(ca)から付けられた、という説もあります。
昔から人々の暮らしに深い関わりのあったツボクサエキスですが、美容成分として日本で注目されるようになったきっかけは、韓国コスメと言われています。

では、具体的にツボクサエキスはどんな成分なのでしょうか。

ツボクサエキス(CICA)の成分

「ツボクサエキス」はツボクサから抽出されたエキスの総称で、成分は一つではありません。主な成分はアジアチコシド、マデッカソシド、アシアチン酸(アジア酸)、マデカシン酸(マデカッソ酸)の4つで、皮膚に対してそれぞれ次の作用があります。

  • アジアチコシド:コラーゲン生成を促す、しわを改善する、傷の治りを早めるなど
  • マデカッソシド:コラーゲン生成を促す、メラニンの生成を抑える、色素沈着を抑える、炎症を抑えるなど
  • アシアチン酸:酸化や糖化(タンパク質と糖が結びつくこと。老化を早める。)を抑えるなど
  • マデカシン酸:酸化や糖化を抑えるなど

ツボクサの生育地域や条件などによって実際に抽出される成分は多少異なりますが、美容に役立つ作用があることから、スキンケアやメイクアップ製品などの化粧品に配合されています。

ツボクサエキスに期待できる美容効果

ツボクサエキスに期待できる美容効果を紹介します。

〇バリア機能を強化する

肌には、外部の刺激から守ったり水分の過剰な蒸発を防ぐ「バリア機能」が備わっています。ツボクサエキスには、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促してバリア機能を強化する作用があり、刺激や乾燥に負けない肌作りをサポートします。

〇炎症を抑えて肌荒れやニキビの改善を助ける

ツボクサエキスには炎症を抑える作用や、肌を修復する作用があります。肌荒れやニキビなどの炎症を鎮め、赤みや痒みを改善するのに役立ちます。

〇しわをできにくくする

ヒトの皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織という順で層を成しています。そのうち真皮には、コラーゲンやエラスチンが存在していますが、これらは加齢や紫外線などの影響で減少してしまいます。ツボクサエキスにはコラーゲンの生成を促す作用があり、加齢によって起こるたるみやしわの予防・改善に役立つことが分かっています。また、しわの原因になる酸化を防ぐ作用を持つ成分も含まれています。

〇シミをできにくくする

ツボクサエキスには、メラニンの生成を抑える作用があり、シミを防ぐ効果が期待できます。また、抗酸化作用があり、シミをできにくくします。

このように、ツボクサエキスには様々な作用があり、エイジングケアをしたい方やニキビケアをしたい方などにおすすめです。また、ヒアルロン酸やナイアシンアミド、ビタミンC誘導体、セラミドなど、併用可能な成分も多く、相乗効果が期待できることもあります。

ツボクサエキスは安全性が高い?肌荒れのリスクについて

ツボクサエキスは、刺激性が低く、アレルギー反応などが起こりにくい成分です。炎症を抑えたりバリア機能を強化する作用があるため、肌が敏感になりがちな人はツボクサエキス配合の化粧品を試してみるのも方法の一つでしょう。
ただし、肌荒れやアレルギーのリスクが全くないわけではありません。人によっては合わない可能性があるため、まずは少量から試してみて、問題がないことを確認してから使用するようにしましょう。

ツボクサエキス配合化粧品を使用する際の注意点

ツボクサエキスを配合した化粧品は多く販売されていて、洗顔料や化粧水、シートマスク、クリームなど種類も豊富です。定番は「シカクリーム」とも呼ばれるクリームタイプですが、使いやすさなども踏まえて自分に合ったものを試してみましょう。
また、使用する際には次の点にも注意しましょう。

〇化粧品の成分表示をチェックする

化粧品には薬機法によって「全成分表示」というルールが設けられており、使用されている全成分がパッケージなどに載っています。表示方法にも決まりがあり、配合量の多い順番で記載されています。また、ツボクサエキスは医薬部外品にも配合されています。医薬部外品は全成分表示が義務づけられていませんが、日本化粧品工業会の自主基準で全成分が表示されていることがあります。
成分表示を確認すると、化粧品なのか医薬部外品なのか、「ツボクサエキス」の配合量が多いのか少ないのか、またどのような成分が一緒に配合されているのか、といった情報を知ることができます。化粧品を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。

〇炎症が強く出ている場合はまず皮膚科に相談を

肌荒れを治すために、ツボクサエキス配合の化粧品を試してみようと思う人がいるかもしれません。しかし、肌荒れによる炎症が強く出ている場合は、新しい美容成分を試すことでかえって悪化してしまう可能性があります。まずは、皮膚科に相談するようにしましょう。

ツボクサエキスは様々な美容効果が期待できる成分です。たくさんのスキンケア製品に配合されているため、自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • ツボクサエキス(CICA)は、古くから薬草として用いられ、スキンケアでも幅広い効果が期待できる成分である
  • ツボクサエキスの主要成分には、アジアチコシド、マデカッソシド、アシアチン酸、マデカシン酸などが含まれる
  • 肌のバリア機能強化、炎症の鎮静、しわ・シミの予防といった美容効果があり、特にエイジングケアやニキビケアに適している
  • 刺激性が低く、敏感肌や乾燥肌にも使いやすいが、肌に合わない場合もあるため、少量から試すことが推奨される
  • 化粧品を選ぶ際は、ツボクサエキスの配合量や併用成分を確認し、自分に合ったものを選ぶことが重要である
  • 炎症が強く出ている場合は、新しいものを試す前に皮膚科に相談すること