もしかして、その肌トラブルの原因はクレンジング?正しい選び方・メイクの落とし方

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)

毎日クレンジングから保湿までしっかりケアしているのに、肌荒れが改善しない・・・
そんな悩みを抱える人はいませんか?
もしかすると、その肌トラブルの原因には、クレンジングが関係しているかもしれません。そこで、クレンジングの正しい方法などについてご紹介いたします。

クレンジングの目的:洗顔だけではダメ?

クレンジングの目的といえば、もちろんメイクを落とすこと。ファンデーションをはじめとする化粧品には、油分が多く含まれています。それを落とすためには、同じように油分を含むクレンジング剤が必要です。中には「洗顔だけではダメ?」と思う人もいるかもしれませんが、洗顔料は、皮膚に付着したホコリや汚れ、余分な皮脂や古い角質などを落とすことはできても、メイクを落とすことまではできません。皮膚にメイクが残ったままになると、酸化して肌トラブルの原因となります。ですから、化粧をした日はクレンジング剤を使ってメイクをしっかりと落とすことが大切です。

クレンジングで肌荒れが改善できるってホント?

お伝えしたように、クレンジングはメイクを落とすために行うものです。肌荒れにもさまざまな原因があるので、クレンジングを見直したからといってすべてのトラブルが改善するわけではありません。けれども、中には誤ったクレンジングが原因で肌荒れが起きていることがあります。そのような場合には、正しいクレンジング方法を実践することで肌荒れがよくなる可能性はあるでしょう。では、どのようなことに気をつければよいでしょうか。クレンジング剤の選び方や方法について、みていきましょう。

クレンジング剤のタイプと選び方

現在、市販されているクレンジング剤には、オイルタイプ、ジェルタイプ、クリームタイプ、ミルクタイプ、ふき取りシートタイプなどがあります。タイプによって、テクスチャーだけでなく、油分や界面活性剤の量に違いがあり、それによって洗浄力、皮膚への負担などが変わってきます。それぞれの特徴について、まとめてみましょう。

〇オイルタイプ

ほかのタイプに比べて油分が多く、洗浄力が高いのが特徴で、濃いメイクでもすばやく落とすことができます。ただし洗浄力が強い分、必要な皮脂まで洗い流してしまうこともあり、クレンジング後に皮膚が乾燥する人もいます。

〇ジェルタイプ

さらっとした感触ですが、オイルタイプと同じくらいの洗浄力を持つので、濃いメイクをした日におすすめです。ただし、メイクとなじむまでに少し時間がかかります。そのため、皮膚にのせてからすぐに流してしまうとメイクがしっかり落とせていない可能性があるので、注意が必要です。

〇クリームタイプ

保湿効果が高いタイプで、乾燥肌の人に人気が高いタイプです。クレンジング後は皮膚がしっとりします。オイルタイプほどの洗浄力はありませんが、濃いメイクでなければ問題なく落とすことができます。

〇ミルクタイプ

水分を多く含むタイプで、肌なじみがよいのが特徴です。また、クリームタイプと同じように保湿性もあります。一方で洗浄力が低いため、メイクが濃い日にはおすすめできず、アイメイクやリップメイクなども、ポイントリムーバーなどで落とす必要が出てくるでしょう。

〇ふき取りシートタイプ

シートタイプの最大のメリットといえば、手軽さです。取り出してサッと拭くだけでメイクを落とすことができます。また、場所を選ばずに使えるので、旅行などの際に使う人も多いでしょう。このような手軽さの反面、界面活性剤やアルコールを多く含んでいて、皮膚の刺激になることがあります。さらにシートタイプだと、ついゴシゴシと拭いてしまいがちですが、これも皮膚に負担をかける原因となります。こうした理由から、ふだん使いにはあまりおすすめできません。

このほかにも、水分の多いローションタイプなどさまざまなタイプがあります。購入時には、使いやすさや洗いあがりの感触などで選ぶ人が多いと思いますが、メイクの濃さや皮膚の状態(乾燥など)といったことにも着目して選ぶとよいでしょう。また、今回ご紹介したのはあくまで一般的な特徴であり、実際には製品によって使用感や洗浄力に差があります。ですから、ご自身にあったクレンジング剤を探してみてください。

クレンジングの方法と注意点

ここで、正しいクレンジング法と気をつけたいポイントをまとめてみましょう。

(1)適量を手にとる
クレンジング剤の量が少なすぎるとメイクが残ってしまいます。クレンジング剤のタイプや人によっても適量は異なりますが、充分な量をとることがポイントです。

(2)クレンジング剤を顔にのせ、やさしくメイクとなじませる
おでこ、鼻、あごなどの皮脂が多い場所から皮膚にのせます。メイクが充分になじんだら、頬や目元の乾燥しやすい場所も同じようにやさしくなじませていきます。このとき、ゴシゴシと強くこするのは厳禁。摩擦が刺激となり皮膚に負担をかけてしまいます。こすって落とすのではなく、やさしく、メイクとクレンジング剤をなじませることを心がけましょう。また、メイクは30~40秒ほどで浮き上がってくるので、必要以上に時間をかける必要はありません。やさしく手早く行うことがポイントです。

(3)ぬるま湯でしっかり洗い流してから、洗顔へ
最後に、ぬるま湯で洗い流します。このとき、お湯の温度が熱すぎると必要な皮脂まで流れてしまうので、注意しましょう。また、髪の生え際など、洗い忘れがないようにしっかりと流しましょう。なお、クレンジング剤によっては、洗い流し不要の、ふき取りタイプもあります。
クレンジング後は、洗顔料を使って洗顔しましょう。そして、化粧水や乳液などによる保湿も忘れずに行ってください。

なお、アイメイクやリップメイクなどは、クレンジング剤のタイプによっては充分に落ちないことがあります。そのような場合は、まずはポイントリムーバーでポイントメイクを落としてから、顔全体のメイク落としをするようにしましょう。

正しいクレンジングで、肌トラブルを予防しよう

今回ご紹介したように、クレンジングのポイントは「やさしく、手早く行うこと、しっかりと洗い流すこと」です。メイクを落とそうと力を入れてこすっている人や、マッサージを兼ねて時間をかけてクレンジングをしている人は要注意。こすりすぎは禁物です。これを機に、クレンジング方法を見直してみてくださいね。正しいクレンジング法を取り入れて、肌トラブルのない美肌を目指しましょう。

まとめ

  • 油分を多く含む化粧品は、同じように油分を含むクレンジング剤で落とす必要がある
  • メイクが皮膚に残ったままになると、酸化して肌トラブルの原因になる
  • 誤ったクレンジング方法によって、肌荒れが起こることもある
  • クレンジング剤にはオイルタイプ、ジェルタイプ、クリームタイプ、ミルクタイプ、ローションタイプ、ふき取りシートタイプなどがある
  • オイルタイプは洗浄力が高く、すばやくメイクを落とせるが、乾燥しやすい
  • ジェルタイプは、洗浄力が高いが、メイクとなじむまでに時間がかかる
  • クリームタイプは保湿力が高い
  • ミルクタイプは、肌なじみがよいが、洗浄力は低い
  • ふき取りシートタイプは手軽な反面、界面活性剤やアルコールを多く含むので、普段使いとしてはおすすめできない
  • クレンジングをするときのポイントはやさしく・手早く行うこと、しっかりと洗い流すこと、こすりすぎないようにすること