今、肌荒れを治療するならトレンドはこれ(保険適応できる治療)

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)

肌の赤みやかゆみ、乾燥、ニキビなど毛穴のトラブル......。肌荒れが起こると、見た目はもちろんのこと、不快な症状も伴って気になりますよね。このようなときはスキンケア製品を見直せばよいのでしょうか?
じつは、肌荒れを「予防したい」「多少気になる」という程度でも、保険適応で受けられる皮膚科の治療法があることをご存じですか?
今どきの肌荒れ治療についてお伝えします。

「肌荒れ」とは?

肌荒れについて明確に定義はされていませんが、皮膚に備わっているバリア機能が低下するなどして、赤みや乾燥、かゆみやニキビ、くすみなどの気になる症状が出ている状態をいいます。
皮膚は「ターンオーバー」を繰り返しています。常に新しい細胞は表皮の一番下にある基底層で作られ、最後は垢となり剥がれるという仕組みです。このターンオーバーによって、皮膚は約28日周期で新しく生まれ変わっています。ターンオーバーの周期が乱れて肌の環境が悪くなると、肌荒れなどの肌トラブルを引き起こします。
周期が遅くなる原因としては、加齢による細胞の老化や、睡眠不足などで成長ホルモン量の分泌が減ることなどが挙げられます。こうした身体内部の変化によって新しい細胞が生まれにくくなり、代謝が遅くなるのです。新しい細胞が生まれにくいということは、古い細胞が留まりますので色素沈着やくすみの原因になります。
また、周期が早くなる原因のひとつに、洗顔のしすぎやピーリングなどで、新しい細胞のバリア機能が形成される前に古い皮膚をはがしてしまう間違ったスキンケアが挙げられます。保湿力が失われて水分が蒸発しやすくなり、ダメージを受けやすくなるのです。
あるいは、アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)などの病気によって肌荒れが起こっている場合もあります。

この肌荒れは「皮膚科」?「美容皮膚科」?

肌の症状は「皮膚科」と「美容外科」、どちらに相談すればよいのか迷うかもしれません。いずれも皮膚科の医師が診察をしていますので、肌荒れがある場合は両方とも相談可能です。ただし、美容皮膚科で受けられる治療の多くは保険診療ではなく自由診療です。
一般皮膚科では、皮膚の病気やケガの治療が目的です。皮膚科で受けられる保険診療であれば自己負担額は3割程度ですから、できれば保険診療の範囲で治したいと思われるでしょう。
一方、美容皮膚科では、病気やケガだけではなく肌をきれいにするための治療も行いますので、保険の対象にならない治療も多くあります。言い換えれば、保険の対象外でも治療が受けられる、ということです。
受診に際しては、病院やクリニックの医師とよく相談をして、納得した上で治療を受けるようにしましょう。

皮膚科で診る内容

おもに皮膚の「疾患」を診察して治療することを目的とします。

皮膚を切ったり、塗り薬を使ったりして、痛みやかゆみ、腫れなどの症状に対応します。「ニキビも疾患なの?」と思うかもしれませんが、ニキビの正式な病名は「ざ瘡」といいます。毛穴が詰まり、「アクネ菌」や「黄色ブドウ球菌」という細菌が増殖して炎症を起こします。皮膚科では、こうしたダメージを受けた皮膚組織に対して治療をします。

美容皮膚科で診る内容

美容皮膚科では、本人の肌の悩みすべてが治療の対象です。
くすみやシミ、たるみなどの「見た目」を改善するために、レーザー治療や美容成分の多い薬品による施術を行います。たとえば、火傷して残った傷跡は「疾患」ではなくなっていますが、見た目が気になるという問題が残ります。これに対して、新しい細胞が作られるように、肌サイクルを促進させる施術などを行います。

保険適応になる肌荒れの治療法とは?

それでは、冒頭でお伝えした皮膚科で受けられる保険診療の肌荒れについて、治療法ごとに具体的にみてみましょう。

内服・外用療法

角栓ができて毛穴が詰まっているなどの悩みに対して外用薬を使ったり、ニキビができたときに外用薬や内服薬が処方されたりします。皮脂の分泌を調整したり、美白を促し色素沈着予防のためのビタミン剤が処方されたりしますが、保険の対象にならないこともありますので、確認をして下さい。
また、アトピー性皮膚炎などで肌がカサカサしているときの保湿ローションやクリームなども保健適応です。乾癬(かんせん)など皮膚の病気の治療にも外用薬が処方されます。アレルギー反応などで「腫脹(しゅちょう)」といって皮膚が腫れた状態になったときも、皮膚科の治療で改善します。

面皰(めんぽう)圧出法

清潔な専用の器具を使い、ニキビにある余分な皮脂を押し出す治療法です。皮脂が溜まってできるニキビや、アクネ菌やブドウ球菌などによって炎症を起こしているニキビなどの治療に用いる方法です。

レーザー治療

毛細血管が広がって赤みが出る病気や、真皮にある細胞によるシミも保険適応となる種類があります。

ただし、症状により、保険の対象にならないこともありますので、確認をして下さい。

自費の美容医療系と組み合わせるメリットは?

たとえば通常の治療でニキビを治す場合、内服薬や外用薬による治療などで炎症などの症状を抑えます。ホルモン治療や点滴などをする方法も考えられますが、これらは基本的に、症状を改善して良好な状態を維持するために行われます。
これに加えて保険外診療の美容医療では、現在できているニキビの治療だけにとどまらず、ニキビ跡として色素沈着が残らないようにしたり、ニキビ跡を改善する治療なども行います。その人にあった数種類の治療法を効果的に組み合わせて、悩みを解決できる点がメリットであるといえるでしょう。

▼併用おすすめ保険外施術

寒い冬は、乾燥によるお肌のトラブルが増える時季です。日ごろから水分摂取やスキンケアによる保湿を意識して、お肌のバリア機能を維持することも大切です。

まとめ

  • ニキビやかゆみ、乾燥などの肌荒れは、ターンオーバーの乱れや加齢、睡眠不足や間違ったスキンケアなどによって起こり、なかには病気による肌荒れもある
  • 一般皮膚科は肌の病気やケガの治療が目的で、保険診療の治療が多い
  • 美容皮膚科は病気やケガだけではなく、肌をよりきれいにするための治療も行い、自由診療の治療法も多い
  • 肌荒れで保険適応になる治療法には、内服・外用療法、面皰圧出法、一部のレーザー治療などがある
  • 保険外診療の美容医療では、症状が治癒したあとの悩みの解決も想定した治療ができるというメリットがある