医療コラム
ニキビ肌のスキンケアは?皮膚科が教える洗顔・保湿・日焼け止めの正しい選び方。
ニキビ肌に悩みながら「体質だから仕方ない」と諦めていませんか。実は、繰り返すニキビの原因には、誤った自己流のスキンケアが関わっていることもあります。この記事では、肌トラブルを悪化させないための正しいスキンケア方法を解説。特に「洗顔」「保湿」「日焼け止め」の3つのステップに焦点を当て、製品の選び方や使い方をわかりやすく紹介します。
ニキビができるメカニズム
まずはニキビがどのようにしてできるのか、そのプロセスを整理しておきましょう。
1.皮脂の過剰な分泌
思春期やストレスなどによってホルモンバランスが乱れると、皮脂腺から皮脂がたくさん分泌されます。
2.毛穴の詰まり
皮脂が増えすぎると、本来なら剥がれ落ちるはずの古い角質と混ざり合い、毛穴を塞いでしまいます。この状態を「コメド(面皰:めんぽう)」と呼びます。
3.アクネ菌の増殖
毛穴が塞がれると、空気が届きにくくなり、酸素を嫌う「アクネ菌」が皮脂をエサにして活発に増殖し始めます。アクネ菌は誰の肌にもいる常在菌ですが、増えすぎるとニキビの原因となります。
4.炎症の発生
増えすぎたアクネ菌が「炎症」を引き起こします。いわゆる「赤ニキビ」と呼ばれる状態です。
ニキビのできやすさには遺伝的な要因が関係していますが、他にもストレスやホルモンバランス、生活習慣、肌に合わないスキンケアなども大きく影響しています。遺伝的な要因は自分の努力で変えられるものではありませんが、生活習慣を改善したり、スキンケアを見直したりすることは、誰でも取り組むことができます。そこで、ここからはニキビ肌向けの正しいスキンケア方法を説明します。
ニキビ肌のスキンケア①:洗顔は肌への負担を最小限に抑えて潤いを守る
ニキビ肌の洗顔は、「汚れを落とす」だけでなく「肌を守る」ことが重要です。そのために抑えておきたい洗顔料選びのポイントと、正しい洗顔方法を紹介します。
【洗顔料選びのポイント】
〇肌にやさしいものを選ぶ
ニキビ肌の人は、皮脂や汚れを落とす力が強いクレンジングや洗顔料を選びがちです。しかし、必要な皮脂まで取り去ってしまうと、肌を守るためにさらに皮脂が分泌されてしまい、新たなニキビの原因になります。
アミノ酸系洗浄成分など肌にやさしいものを選ぶと、必要な潤いを守りながら汚れだけを洗い流すことができます。ただし、使用感には個人差があります。実際に使ってみて洗顔後のつっぱり感を確かめながら、自分に合ったものを見つけてみてください。
なお、スクラブ入りの洗顔料やピーリング作用の強いアイテムは、すっきりとした洗い上がりで汚れが取れた感覚になりますが、ニキビを物理的に刺激し炎症を悪化させるリスクがあるため、おすすめできません。
〇「ノンコメドジェニックテスト」をクリアしているかどうかを確認する
「ノンコメドジェニックテスト」とは、毛穴を詰まらせる原因になりにくい製品であることを確認するためのテストです。一般的に、これをクリアした製品はニキビができにくいとされています。
【正しい洗顔のポイント】
〇洗顔料をしっかり泡立てる
洗顔料を出し、手のひらか泡立てネットできめ細かく弾力のある泡をたっぷりと作ります。泡が少ないと、洗顔の際に摩擦が起きやすくなります。
〇やさしく洗う
泡を顔に乗せたら、指で直接肌をこすらないように、泡を転がすようなイメージでやさしく洗います。特に皮脂の多いおでこや鼻から洗い始め、乾燥しやすい頬や口周りは手早く済ませましょう。
〇すすぎはぬるめのお湯で、丁寧に
すすぎ残しがないように丁寧に洗い流します。熱いお湯は肌の皮脂や潤いまで奪ってしまうため、ぬるめのお湯を使いましょう。
〇ゴシゴシ拭き取らない
洗顔後は、清潔で柔らかいタオルを使い、肌をポンポンと軽く押さえるように水分を拭き取ります。ゴシゴシこするのは絶対にやめましょう。
ニキビ肌のスキンケア②:保湿ケアで乾燥とニキビを防ぐ
「保湿するとベタついてニキビが悪化するのでは?」と心配する人もいますが、これは大きな誤解です。乾燥した肌は、潤いを守ろうとして皮脂を過剰に分泌するため、ニキビの原因となります。保湿をしっかり行い、乾燥による皮脂の過剰分泌を防ぎましょう。
保湿剤を選ぶ際のポイントと正しい保湿ケアの方法を説明します。
【保湿剤選びのポイント】
〇油分が少なめのものを選ぶ
油分が多くベタつきやすいものは、毛穴詰まりの原因になります。こっくりとしたクリームタイプよりも、ジェルや乳液タイプなど、さっぱりとした使用感のものを選びましょう。
〇ニキビ改善に効果のある成分や保湿力を高める成分を選ぶ
ニキビ改善に役立つ成分には次のようなものがあります。
- ビタミンC誘導体:皮脂の分泌を抑え、ニキビ痕の色素沈着を防ぐ効果が期待できます。
- グリチルリチン酸ジカリウム:ニキビの炎症を抑えたり、バリア機能を高めたりする作用があります。
- セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなど:肌の水分保持力を高め、バリア機能をサポートします。
- ツボクサエキス(CICA):炎症を抑えたり肌を修復したりする作用があります。
その他、レチノールやサリチル酸などもターンオーバーを促進する作用があり、毛穴の詰まりやニキビを改善する効果が期待できます。ただし、刺激になることがあるため、肌の状態を見ながら慎重に試しましょう。
【正しい保湿ケアのポイント】
〇洗顔後すぐに保湿する
洗顔後の肌は水分が蒸発しやすく、乾燥しやすい状態です。タオルで水分を拭き取ったら、できるだけ早く化粧水や保湿剤をつけましょう。
〇たっぷりと使う
化粧水や乳液は、製品の使用量を守ってたっぷりと使いましょう。肌への摩擦を減らし、潤いを隅々まで行き渡らせることができます。
〇肌をこすらず、やさしくなじませる
化粧水や美容液、乳液などをつける際も、肌に摩擦を与えないよう、手のひらで包み込むようにしてやさしくなじませましょう。特に炎症を起こしているニキビは、強くこすると悪化させてしまう可能性があります。
〇乾燥しやすい部分は重ね塗りで重点的にケア
顔全体に保湿剤をなじませた後、乾燥しやすい目元や口元には少量ずつ重ね塗りをしましょう。また、皮脂の分泌が多いTゾーンは薄めに塗るなど、部位によって量を調整すると効果的です。
ニキビ肌のスキンケア③:日焼け止めでニキビの悪化と色素沈着を予防する
紫外線はニキビの炎症を悪化させるだけでなく、色素沈着の原因にもなります。ニキビ肌の人は、毎日欠かさず紫外線対策をしましょう。 日焼け止めは成分や性状(クリーム、ジェル、スプレーなど)、紫外線防御効果の高さ(SPFやPA)など、選ぶ基準がたくさんありますが、以下の点に気をつけて選んでみましょう。
【日焼け止め選びのポイント】
〇肌への負担が少ないものを選ぶ
日焼け止めに含まれる紫外線防御成分には主に紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。紫外線吸収剤は、白浮きせず滑らかなテクスチャーのものが多いですが、肌が敏感な人は刺激を感じる場合があります。刺激が気になる人や、日焼け止めでニキビが増えやすい人は、紫外線吸収剤の入っていない「ノンケミカル(紫外線吸収剤フリー)タイプ」を試してみましょう。また、「ノンコメドジェニックテスト済み」や「敏感肌用」と書かれた製品を試してみるのも方法の一つです。
〇落としやすいものを選ぶ
クレンジングでゴシゴシこする摩擦は、肌への大きな負担となります。石鹸や普段の洗顔料で簡単に落とせるタイプを選ぶと、肌への負担を最小限に抑えることができます。
〇SPF・PAはシーンに合わせて選ぶ
SPFやPAが高いほど紫外線防御効果は高まりますが、その分、肌への負担も大きくなる傾向があります。日常生活であれば、SPF20〜30、PA++〜+++程度で十分です。レジャーや屋外での活動など、紫外線を浴びる時間が長い場合にのみSPFやPAの高いものを使用するなど、使い分けるようにしましょう。
【正しい日焼け止めの塗り方のポイント】
〇必要量をたっぷり塗る
顔全体にムラなく均一に、たっぷりと塗ります。量が少ないと、十分な効果が得られません。
〇こすらず、やさしく塗る
指の腹でやさしくなじませるように塗り、肌をこすらないようにしましょう。落とす際も、クレンジングでゴシゴシこすらないことが肝心です。
〇こまめに塗り直す
汗や摩擦で日焼け止めは落ちてしまいます。効果を持続させるためには、2~3時間ごとに塗り直すのが理想的です。
なかなか治らないニキビ肌は皮膚科医に相談を
ここまでニキビ肌のスキンケアについて説明してきましたが、他にも食生活、睡眠、ストレスケアなどの生活習慣を見直すことも重要なポイントです。スキンケアとあわせて生活習慣の改善に取り組みましょう。
それでもニキビの症状がひどい場合や、セルフケアでは改善が見られない場合は、早めに皮膚科医に相談することが大切です。早期に専門的な治療を受けることで、ニキビ痕を残さずに治せる可能性が高まります。
皮膚科では、外用薬や内服薬の他、ケミカルピーリングやニキビ痕に対するレーザー治療・光治療など様々な治療法があります。自己流のケアを続けるよりもずっと早く症状が改善する可能性があります。専門医に相談して健康的な肌を取り戻しましょう。
まとめ
- ニキビは過剰な皮脂、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖、炎症といったプロセスで悪化するため、正しいスキンケアが重要である
- 洗顔ではアミノ酸系洗浄成分などの肌にやさしい製品を選び、摩擦を避けてやさしく洗う
- 保湿は乾燥による過剰な皮脂分泌を防ぐために不可欠であり、油分の少ないジェルや乳液タイプを、洗顔後すぐにたっぷり使用するのが望ましい
- 日焼け止めは、ニキビの炎症や色素沈着を防ぐために毎日使用すべきであり、肌への負担が少ないノンコメドジェニックテスト済みの製品や、紫外線吸収剤フリーの製品を試すのがおすすめである
- セルフケアや生活習慣の改善でもニキビが治らない場合は、皮膚科医に相談し、症状に合わせた専門的な治療を受けることがおすすめ