医療コラム
オイリー肌(脂性肌)のスキンケアとは?化粧水や乳液の選び方のポイントを解説。
「気がつくと顔がテカテカしている」「化粧が崩れやすい」このようなお悩みがある方はオイリー肌(脂性肌)かもしれません。では、オイリー肌の人はスキンケアの際にどんなことに注意すれば良いのでしょうか。今回はオイリー肌の人が知っておきたいスキンケアの注意点や、化粧水や乳液の選び方についてご紹介します。
オイリー肌(脂性肌)ってどんな状態?他の肌タイプとの違いは?
美容雑誌や美容系の情報サイトの中で「肌タイプ」という言葉を見かけたことのある人は多いかもしれません。「肌タイプ」とは、皮脂量や水分量をもとに肌質を4つのタイプに分けたもので、オイリー肌(脂性肌)もそのうちの一つです。4つのタイプがそれぞれどのようなものか、ご説明します。
〇オイリー肌(脂性肌)
顔全体の皮脂量と水分量が多く、乾燥などの悩みは少ない一方で、皮脂の過剰分泌によるテカリやべたつき、ニキビ、毛穴の詰まりや開きといった肌トラブルなどが起こりやすくなります。また特に額や鼻など、もともと皮脂が分泌しやすい部位を中心に化粧崩れしやすいことも特徴の一つです。
〇乾燥肌(ドライスキン)
皮脂量と水分量がともに少ないタイプです。肌を守るバリア機能が低下しやすく、紫外線やアレルギー物質などが刺激となって肌荒れが起きることがあります。また、乾燥による小じわや粉ふきなどもよくあるお悩みの一つです。
〇混合肌(インナードライ)
皮脂量が多いにも関わらず、水分量が不足している肌タイプです。一般的には、額や鼻を含むTゾーンはべたつきやすく、フェイスラインのUゾーンは乾燥しやすくなります。オイリー肌との区別がつきにくいのですが、乾燥している部位があるかどうかが大きなポイントになります。
〇普通肌
皮脂量と水分量がともに適量に保たれているタイプで、肌トラブルが少ないのが特徴です。また、肌のキメが整っていて適度なツヤ感があるため、毛穴などが目立ちにくく、理想的な肌の状態と言えます。
このように、肌のタイプは大きく4つに分かれています。中でもオイリー肌は過剰な皮脂分泌によるトラブルが起きやすいタイプです。では、オイリー肌の人はどんなことに注意すれば良いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
オイリー肌の原因と日常生活の中で気をつけたいポイント
肌の皮脂量が人より多いことで悩んでいる人は少なくありません。では、どうして皮脂の分泌量が増えてしまうのでしょうか。まず原因の一つとして考えられるのは、遺伝的要因です。体質が遺伝するように、皮脂分泌が多い、水分量が少ないといった肌質も遺伝の影響が大きいと考えられています。ただし、遺伝的な要因で肌の状態がすべて決まってしまうわけではありません。毎日の生活習慣やスキンケアも大きく影響します。
たとえば、食事。脂っぽい食事や甘いものばかりを食べていると、皮脂量が増えてオイリー肌の原因になります。また、ストレスや睡眠不足も原因の一つ。自律神経の一つである交感神経が活発化し、皮脂分泌に関わる男性ホルモンが大量に出るため、肌が脂っぽくなってしまうのです。喫煙も、皮脂量を増加させる作用があります。タバコの煙から肌を守ろうと皮脂の分泌量が増える原因になります。さらに、女性の場合は月経周期の影響で、皮脂の分泌量が増える時期があり、いつも以上に肌のテカリやべたつきを感じやすかったり、ニキビなどのトラブルが起きやすくなったりします。
このように生活習慣は肌の状態に大きな影響を与えます。「遺伝だから仕方がない」と諦めている人がいるかもしれませんが、まずは基本的な生活習慣を見直し、皮脂の過剰分泌が起きないように気をつけることが大切です。
オイリー肌のスキンケア
さらに、間違ったスキンケアも皮脂分泌が過剰になる一因です。スキンケアの際は次の点に気をつけてみてください。
〇「落とすケア」をしっかりと
オイリー肌の人は、過剰な皮脂が毛穴に詰まってニキビや黒ずみといったトラブルが起きやすくなります。毎日、クレンジングや洗顔を十分に行って、不要な皮脂や汚れをしっかり落とすようにしましょう。洗顔の際は洗顔料をしっかり泡立ててやさしく洗うことがポイントです。毛穴の汚れをしっかり落とそうとゴシゴシ洗ってしまうと、バリア機能を低下させる原因となります。肌はバリア機能が低下すると、皮脂をさらに分泌させてしまうことがあるため、ますますオイリーな状態になってしまいます。
また、洗い流す際に熱いお湯を使うことも皮脂を取りすぎる原因になるため注意しましょう。
〇保湿ケアも重要
オイリー肌の人の中には、「べたつきが気になるから保湿ケアをしない」という人がいますが、洗顔などで失われた水分を補給することはどんな肌質でも必要です。水分量が減った状態を放置しておくとそれを補うために皮脂が過剰に分泌されることがあるため、注意しましょう。べたつきが気になる方はさっぱりタイプの化粧水や乳液を使って保湿ケアをするのがおすすめです。
〇油分の多い美容オイルやクリームの使用は控える
スキンケアアイテムのひとつに、油分の多いクリームやオイルがあります。これらのアイテムは皮脂量がもともと少ない肌質の人には向いていますが、皮脂量の多いオイリー肌の人が使うと、べたつきやテカリの原因になるため、あまりおすすめできません。保湿ケアは重要ですが、油分を必要以上に追加するケアは控えたほうが良いでしょう。
〇紫外線対策は必須
紫外線は肌の水分量を低下させます。水分量が低下した肌は皮脂の分泌を活発化させてしまうため、オイリー肌の人にとって紫外線対策はとても重要です。また、紫外線は皮脂を酸化させ、くすみや毛穴の詰まりなどの原因にもなるため注意しましょう。
オイリー肌の人が知っておきたい化粧水や乳液の選び方
肌タイプに関わらず、スキンケアの基本は肌に必要な水分や油分を補うことですが、オイリー肌の人の場合はべたつきが気になることが多いため、油分が多く配合されたものではなく、保水に重点を置いた商品を選ぶようにしましょう。わかりやすいものでいうと、「オイリー肌用」や「さっぱりタイプ」のものを選ぶことがおすすめです。ただし、ひと言で「さっぱりタイプ」と言っても、配合されている成分や濃度は商品ごとに異なります。同一商品の「しっとりタイプ」と配合濃度を変えて作られたものもあれば、「しっとりタイプ」に追加の成分を配合しているものなど、様々です。どんな成分が配合されているのかを事前に確認し、自分の肌に合ったものを選ぶようにしましょう。
また、皮脂の分泌量をコントロールする成分が含まれているものを選ぶのも方法の一つです。たとえば、ビタミンCやビタミンA(レチノール)、アゼライン酸、ナイアシンアミドなどは皮脂の過剰分泌を抑える作用があります。こうした成分を配合したものをスキンケアに取り入れてみるのもおすすめです。
今回は、オイリー肌のスキンケアについてお話しました。お伝えしたように、スキンケアの基本は保湿と紫外線対策ですが、自分の肌に合ったスキンケア製品を選ぶことが重要です。これまでべたつきが気になって保湿ケアを控えていた人も、あらためて自分に合うものを見つけて、スキンケアを継続してみてください。なお、皮脂の過剰分泌が原因で肌トラブルや肌荒れが続いている場合は、皮膚科医に相談することも検討してみてください。専門家に相談することで、健やかで美しい肌を保つヒントが見つかるかもしれません。
まとめ
- オイリー肌(脂性肌)は、皮脂分泌が多く、テカリや化粧崩れ、ニキビ、毛穴のトラブルが起きやすい肌タイプである
- オイリー肌の原因は遺伝的要因の他に、食事、ストレス、睡眠不足、喫煙などの生活習慣も影響する
- オイリー肌のスキンケアには、正しいクレンジングと洗顔、適切な保湿ケア、油分の多い美容オイルやクリームの使用を控えること、紫外線対策が重要である
- 化粧水や乳液の選ぶ際は、保水に重点を置いた「さっぱりタイプ」の製品を選んだり、皮脂の過剰分泌を抑える成分を含むものを取り入れたりすることも方法の一つ
- 皮脂の過剰分泌による肌トラブルが続く場合は、皮膚科医に相談し、専門的なアドバイスを受けることがおすすめ。