シミ・痣(あざ)

通常、シミは紫外線を浴びて大きなダメージを受けた時に、肌を守るためにメラニン色素が生成され、それが表皮の肌細胞に沈着することによりシミができます。
保険適応で治療できるシミ・痣(あざ)は、生まれつきや遺伝、ストレス、間違った肌のケア、加齢など、ハッキリ原因がわかっていないものもあります。
シミ・痣(あざ)はできる場所や色や形により、種類が異なり、治療も様々です。
自己判断によるケアで悪化させてしまうこともあります。
日本皮膚科学会 皮膚科専門医の診断のもと適切な治療をお受けください。

ふくらんだシミやADMや太田母斑などの痣(あざ)は保険診療、シミ・そばかすなどは保険外診療となります。保険外診療については、シミ・そばかすの詳細ページをご確認ください。
単純性血管腫や苺状血管腫などの赤あざは保険診療で、赤あざ(単純性血管腫・苺状血管腫)の詳細ページをご確認ください。毛細血管拡張・赤ら顔・老人性血管腫は保険外診療で、赤ら顔・毛細血管拡張の詳細ページをご確認ください。

シミの種類

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

20歳以降に初発する顔面色素斑です。左右対称に青色~灰色から褐色の斑点を呈します。
頬骨、下眼瞼、目尻、額にみられ、皮膚の深いところ(真皮)に色を作る色素細胞が存在します。そのため、痣(あざ)の一種と言われているシミです。
メラニン色素が皮膚のどの深さに存在しているかにより見える色が異なり、シミ、そばかす、肝斑と混在していることも多く、判別が非常に難しいことがあります。
一般的なシミはメラニン色素が表皮に存在しているため、皮膚の深いところにあるADMは、普通のシミよりも治りにくい傾向があります。
Qスイッチレーザー以外の治療では効果がありません。治療の際には保険適応となります(保険適応は5回まで、6回目以降は自費11,000円(税込))。

治療法について

太田母斑

額、目の周り、頬などに生まれつきある茶褐色から青色の痣(あざ)で、日本人に多いシミとされています。
生後間もなく出現するものと、思春期頃にできるものがあります。片側にできることが多いですが、まれに両側にできることもあります。
一般的に目の下のクマと呼ばれているものが実は太田母斑であることもあります。皮膚の深いところ(真皮)に色を作る色素細胞が存在するため、痣(あざ)の一種と言われているシミです。
一般的なシミはメラニン色素が表皮に存在しているため、皮膚の深いところにある太田母斑は、普通のシミよりも治りにくい傾向があります。
Qスイッチレーザー以外の治療では効果がありません。
治療の際には保険適応となります(保険適応は5回まで、6回目以降は自費11,000円(税込))。

治療法について

異所性蒙古斑

蒙古斑とは、生後1週から1ヶ月くらいにお尻から背中下部に見られる青色の痣(あざ)で、通常5、6歳くらいで自然と消失します。胎生期の真皮メラノサイトの残存と考えられています。
ごくまれに、通常の部位以外の部位に発生するものを異所性蒙古斑と呼びます。
背部、腹部、上肢、下肢、顔面など様々な部位にでき、色素が濃いものや広範囲のものは、大人になっても残ることがあります。
治療の際には保険適応となります(保険適応は5回まで、6回目以降は自費11,000円(税込))。

治療法について

扁平母斑(茶あざ)

体の様々な部位にできる平らな茶色の色素斑で、大きさは数ミリから数十センチの広範囲なものまであります。
ほとんどは生まれつきの痣(あざ)ですが、思春期以降にでるケースも見られます。
表皮基底層にメラニン色素が増加し、盛り上がることはなく、悪性化することはほぼありません。
ミルクコーヒーのような色のため、カフェオレ斑とも呼ばれます。思春期以降に肩にできる毛が生えているものは、ベッカー母斑と呼ばれます。
扁平母斑はレーザーが効かないケースもあります。このため当院では範囲に試験照射を行い、効果を判定します。
治療の際には保険適応となります。

治療法について

単純性血管腫(赤あざ・ポートワイン母斑)

肌表面の近くにある毛細血管が広がる病気です。生まれつきのものが多く、体の中心にあるものは薄くなりますが、自然に消えないといわれています。大人になると、色が濃くなったり、盛り上がったり、デコボコしたりする場合もございます。
治療の際には保険適応となります。

治療法について

脂漏性角化症(ふくらんだシミ)

表皮が腫瘍性に増殖し、いぼ状にふくらんだものです。
老人性色素斑が進行するタイプ(年配の方に多い)と体質でできるタイプ(20代、30代にもみられる)があります。
手のひら、足の裏以外のであれば、全身どこにでも発生します。とくに顔面、頭部、前胸部、背部に多く見られます。
色は褐色調ですが、健康な皮膚に近い色調のものから黒色調のものまで様々なものがあります。
小さいものから大きいものまであり、ざらざらしているのが特徴です。
時間が経つにつれ、大きくなり数も増えていきます。
治療の際には保険適応となります。

治療法について

治療

ADM、太田母斑、
異所性蒙古斑、
扁平母斑(茶アザ)の
治療について

Qスイッチルビーレーザー

※各院により施術できる曜日が異なりますので、お電話にてお問い合わせください。

設定により皮膚の深いところ(真皮)まで治療が可能です。
黒いメラニン色素に吸収される波長のため、色素細胞だけを破壊するため、ピンポイントで照射をし、正常組織のダメージを最小限にした治療が可能です。

経過

治療直後から数日間、赤みがありヒリヒリします。
リンデロン軟膏を塗布し、炎症が強ければ茶色いテープで保護します。当日夜の入浴(洗顔)後に剥がしてください。
照射後赤みが引くまで数日間、1日2回朝・晩に処方されたリンデロン軟膏を塗布してください。
レーザーを照射することでメラニン色素が細かく分解、拡散するため、照射直後~数ヶ月は色素が濃くなり、3~6ヶ月以上かけて徐々に薄くなりますが、この期間には個人差があります。
シミ・痣(あざ)の症状が薄くなってきたら再照射が可能となり、その過程を数回繰り返して徐々に薄くします。
再照射は最短でも3ヶ月はあけて頂きます。
症状が寛解するまでに1~数年、照射が3~5回必要となります。また、照射後1~数ヶ月の間に、レーザーが皮膚の浅い層(表皮層)に反応することで一過性の炎症後色素沈着が起こることがあります。
予防・治療のため内服(保険内薬:ビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸)および外用シミケアセット(APPS VC、HQ、RAC、初回のみリンデロンVG軟膏付)(9,900円(税込))によるアフターケアが必要になります。
2週間後に経過の診察を致します。
※個人差がありますので、詳しくは直接医師にご確認ください。

リスク・副作用

照射直後から数日間患部が赤くなり、ヒリヒリとした痛みがあります。
やけどや色素沈着を起こすことがあります。

料金

6,000~12,000円程度(保険が3割負担の場合)
(ADM・太田母斑・ 異所性蒙古斑の場合:保険適応は5回まで、6回目以降は自費 11,000円(税込))

施術詳細

単純性血管腫
(赤あざ・ポートワイン母斑)の
治療について

Vビームレーザー

※施術できる曜日が異なりますので、お電話にてお問い合わせください。

まずは血管の太さ・深さなど症状により、レーザー治療に適しているかどうかを医師が診断します。
※レーザー治療は、症状を改善させるものであり完全になくなるわけではありません。
必要に応じて麻酔クリームや麻酔テープを使用し、レーザーを照射します。
照射時、輪ゴムではじかれるような痛みがあります。

経過

治療後、ジンジンとする痛みと赤みが残る場合があります。また、色が黒っぽくなったり、水疱ができる場合があります。
照射当日はそのままにして頂き、翌日から入浴が可能となりますが、熱いお湯や施術部位を擦ったり、強い刺激を与える行為はお控えください。色素沈着する恐れがありますので、照射部位は遮光をしてください。
照射する強さにより薄いかさぶたができることがあり、1~2週間で取れていきます。
状態により炎症止めのリンデロン軟膏を処方する場合がありますので、その間、1日2回朝・晩に塗布してください。

リスク・副作用

少し赤みがかり、レーザー痕のような腫れが出る場合があります。
ヒリヒリ感が出ることがあります。
強い出力の場合、照射後、あるいは翌日以降から患部に軽い紫斑が現れる場合がありますが、約7~10日前後で消退していきます。
まれに、やけどや色素沈着を起こすことがあります。

料金

10cm2までの大きさで、6,500円程度です。(保険が3割負担の場合)
照射面積が10cm2ごとに1,500円増え、180cm2が保険で治療可能な最大の大きさです。(32,000円程度)(保険が3割負担の場合)

施術詳細

脂漏性角化症
(ふくらんだシミ)の
治療について

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)

※各院により施術できる曜日が異なりますので、お電話にてお問い合わせください。

小さなもの

液体窒素は色素沈着を残すためおすすめしません。当院では炭酸ガスレーザーにて治療しております。
基本的に局所麻酔は行っていません。月に1回まで、1回の治療で10個程度まで治療できます。
※隆起が強い場合ハサミを併用することがあります。

大きなもの

直径2mmを超える大きなものは、炭酸ガスレーザーにより除去します。
注射による局所麻酔が必要で、その際に痛みがあります。
月に1個までの個数制限があります。

経過

患部に赤みが数日間続きかさぶた状になり治癒します。
ご自宅で1週間程度軟膏を塗布して頂きます。

リスク・副作用

照射後は一時的にかさぶたが形成されます。
赤みや色素沈着を起こすことがあります。
一時的に凹んだ状態になったり、傷跡が残ることがあります。

料金

小さなもの
1回4,000~5,000円程度(保険が3割負担の場合)※ひと月に1回の治療となります。
大きなもの
1個8,000~9,000円程度(保険が3割負担の場合)

施術詳細